2013.12.18

矢野隆司 第3回 「18年前、人生の尊い授業料として"使わされた"100万円事件の真相」

島地 勝彦 プロフィール

矢野 「このたびシマジさまには今東光大僧正のご名代としてお越しいただきました」といえと真顔でいうんです。

セオ そのときはすでに大僧正はお亡くなりになっていたんですよね。

矢野 そうです。すでにお亡くなりになっておりました。

立木 でもレトリックとしてはシマジらしくオーバーでいいじゃないの。

セオ なるほど。「過剰なるリアリズム」というのはすでにそのころからなんですね。

矢野 まあその辺までは許されるとしてもですね、ワインまで指定してきたんですよ。

「新郎、おれのテーブルだけでいいんだが、ヴィンテージは君に任せるとして、白はコルトン・シャルルマーニュ、赤はマルゴーがいいかな。それから、シャンパンはサロンでどうだろう」

わたしは素直に「わかりました」というしかありませんでした。

立木 もはや祝杯を口実にした恐喝じゃないか。

矢野 まあ、おめでたい席とはいえ忙しいシマジさんに出席していただいたのですから、そこまでは許せるとしても、二次会はもっと悲惨でした。

セオ えっ、まだ飲み足りないとでも? ひょっとして、もっと凄いワインを無心したんですか?

矢野 はい。「二次会にはペトリュスを用意しておけ」といわれたんです。泣く泣く1本用意しましたら、それを自分のテーブルにドンと置いて「矢野ちゃん、今日はいつになくめでたい日だ」といいながら、ひとりで飲み干してしまったのです。

立木 今先生をロマネコンティで騙し、矢野ちゃんからはペトリュスを略奪したのか。新郎の弱みにつけ込んで飲んだのか。ホントにお前は悪いやつだ。