2013.12.18

矢野隆司 第3回 「18年前、人生の尊い授業料として"使わされた"100万円事件の真相」

島地 勝彦 プロフィール

セオ でも戦争もあったわけですし、今さんのオモチャを探すとなるとお金よりかえって難しいんじゃないですか?

矢野 そのときシマジさんはすぐに骨董屋さんの電話を借りて佐倉のきよ夫人に連絡を取ったんです。そしたら大したものです。きよ夫人は先生が子供のとき遊んだ、小さな粘土細工の兵隊さんのオモチャを大事に持っているといわれたそうです。

「それでいいですか?」とシマジさんはご主人に迫り、大僧正の若き日のラブレターを手元に置いてすごんでいました。「きよ夫人も喜んでおりました。明日すぐに速達でお送りするそうです」といって一件落着したんです。わたしは側にいまして、男が交渉するときは迫力が一番大事なんだなとつくづく思い知らされました。

セオ シマジさんみたいな人を外交官にしていたら尖閣問題なんて難なく解決してくれるでしょうね。

立木 それは無理な相談だろう。シマジみたいに学校の勉強が出来ないやつは外交官にはなれないの。せいぜい編集者どまりだろう。

シマジ そういえば塩野七生さんと話したとき、「外国の外交官は一流のスーツを着ているが、中身はヤクザなのよ」といっていた。まあ、ヤクザとまでいわなくても、こころは狡猾なキツネなんでしょうね。

セオ そういえば矢野さんは五十の手習いで短期留学して外国語を勉強しているそうですね。

矢野 はい。だいたい3ヵ月ごとに短期でフランスに行きましてフランス語の語学研修を受けています。

立木 どうしてまた。

矢野 大成機工と欧州の大手水道会社とが一緒にビジネスする話が持ち上がっているんです。交渉は英語なんですが、でも、たまにフランス語圏の人同士がフランス語で話しているのを見て、自分にもわかればいいなあと思ってはじめたんです。50歳過ぎてからの語学習得は結構しんどいですけどね。

シマジ でもさっきフランス語でツイッターをしていたよね。

矢野 あれは同じ語学研修を受けているいろんな国のクラスメートとのやりとりで、極めて幼稚なフランス語でつぶやいただけです。