2014.02.10
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即死!新型「鳥インフルエンザ」が日本上陸 中国では死者100人以上も

週刊現代 プロフィール

現在、中国南部を中心に感染が拡大している鳥インフルエンザ。上海市、浙江省、江蘇省、広東省などのほか、台湾、香港にまで広がっているが、病院に勤務する医師でさえも命を奪われたというこのニュースは、地元民にも衝撃を与えている。

この報道を受けて、上海以外の地域でも「○○病院でも医者が新型インフルエンザに感染して死んだ」などという噂が拡散。中国全土に動揺が広がっている。

中国に蔓延するH7N9型のウイルスは、昨年春にヒトへの感染が発覚した当初、致死率が50%という異例の高さを示した。インフルエンザウイルスは、増殖する過程で遺伝子の突然変異が起こると、その性質が変化していく。変異することで、ヒトを即死させる能力を持ちえる恐怖のウイルスだ。冒頭の医師のように、発症してから気づくのでは、手遅れになりかねない。

中国の報道によると、1月29日現在の感染者は246人、死者は56人とされるが、正確な患者数はその程度ではすまないという。中国の大手マスコミ関係者がこう話す。

「感染者数、死亡者数のデータは、各省などがバラバラに発表しているので、全体像が把握しにくいんです。それに、パニックになるのを恐れて当局はすべてを公表していない可能性がある。すでに死者は100人以上にのぼっているという話もあります」

そんな中、ついに中国浙江省で「ヒトからヒト」への感染例が見つかった。一家3人が連続して発症したのだ。

中国国営新華社通信は、1月27日、このケースをあくまでも「ヒトからヒトへの限定的な感染」であり、急速に拡大する状況ではないと慎重に報じた。だが、これを鵜呑みにするわけにはいかない。

「2000年前後に流行し、多くの死者を出した強毒性のH5N1型よりも、今回のH7N9型のほうがずいぶん早いスピードで広がっている印象があります。1年ほどですでに200人以上の患者が出ていますが、H5N1型では年間の患者数が100人を超えることは稀でした。さらに、ウイルス学的に見ても、変異しやすい形になっているという報告もあります」(東京医科大学病院渡航者医療センター教授・濱田篤郎氏)

これはウイルスとの戦争だ

もともと鳥インフルエンザは、鳥同士でしか感染しないが、遺伝子変異により、鳥からヒトへも感染するようになる。これが、さらにヒトからヒトへ持続的に感染する能力を獲得したら一巻の終わり、パンデミック(世界的大流行)だ。

感染範囲が限定されているとはいえ、ヒトからヒトに感染したことは事実。すでに、急速に拡大する能力を身に着けた「新型インフルエンザ」へと変貌している可能性がある。

隣の韓国でも鳥インフルエンザ(H5N8型)が大流行中だ。

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