[アイランドリーグ]
高知・弘田澄男監督「今季はシーズン終了までキャンプ!?」
打順よりも状況、コースに応じた打撃を
幸い4月前半は試合数が少ないため、調子のいい選手をどんどん起用し、その中でチームのかたちが見えてくればと考えています。現状、河田直人を4番にしていますが、この打順で固定するかどうかは分かりません。
こちらの意図としては彼は4番というよりも“4番目のバッター”。ランナーが出て打席が回ってくれば、ポイントゲッターとしての役割が求められますし、先頭打者であれば、まずは出塁が大事です。そう考えれば、1番も4番も7番も9番も状況に応じたバッティングをすることは共通しています。
打順を組む際には「クリーンアップが重要」「1、2番が大切」という意見をよく聞きます。もちろん、1、2番がよくてクリーンアップが強力なのに越したことはありません。
ただ、個人的には下位にもアベレージを残せる選手がいないと相手は怖くないと感じます。下位打線が弱いと、ピッチャーは安心して投げられるため、調子が悪くても立ち直りのきっかけを与えてしまうからです。その意味では4番だろうが、7番だろうが、重要度は変わりません。
たとえばオープン戦では2番で起用することの多かった新人の中村憲治にも、「器用になりすぎない」よう注意しています。2番=つなぎ役という考えが強いのか、彼はすぐにセーフティバントや当て逃げをしようとします。しかし、それでは個の力はつきません。甘いインコースならライトオーバーのライナーを放てるような、しっかりしたバッティングを身につけてほしいと感じています。
僕は現役時代、ストライクゾーンをコースによって5等分し、内側から1~5の番号をつけていました。内角の1、2のコースは逆方向に打つのは難しいので引っ張る。真ん中の3と外側の4、5のコースは流す。こういったことを考えながら打席に立っていました。
インコースのボールを引っ張り、鋭いライナーで外野に運ぶにはレベルスイングでボールの中心をとらえる必要があります。これが少しでもボールの下を叩けばフライになりますし、上を叩けばゴロになる。どのコースに、どういう角度でバットを入れれば、どんな打球が飛ぶのか。それを把握しておかなければ、ヒットの確率は高まりません。
こうした基本理論を体得する第一歩として、選手たちには「フライを打つな」「鋭い打球を打て」と指導しています。狙ってライナーを打つ要領がつかめれば、その応用で狙ってゴロを転がすこともできますし、狙って犠牲フライも打てるようになるからです。日々の打撃練習では体を水平に回転させ、バットをレベルに振ることを意識して取り組ませています。