2014.04.14

岩瀬大輔「僕なりに考える『友達をつくるシンプルな原則』」

最新刊『仕事でいちばん大切な 人を好きになる力』より

感謝リストに定員はありません。入れ替わりで更新していく定員制ではなく、無限にストックしていくのが、感謝リストです。そして、なにか区切りになるような出来事(年末年始、転勤や転職、結婚に出産など)があったら、なるべく意識的にリストの古いページをめくって、その人たちにも感謝の気持ちを伝える。たとえ何年、何十年と連絡が途絶えていても、です。年賀状などは、そのいちばんシンプルな手段でしょう。

実際、僕が上場の当日にお礼の電話をかけたときも、みなさんまるで自分のことのように喜んでくださいました。これはきっと、僕の伝えた「あのときはお世話になりました」というお礼の中に、「あなたへの感謝はいまも忘れていません」というメッセージが込められていたからだと思います。

年齢を重ね、キャリアを重ね、ある程度の実績が伴ってくるようになると、つい自分の力を過信して「いまの自分は、自分だけの努力によってつくられた」と勘違いしてしまうことがあります。そして「いま」だけを見て、目の前にいる人とばかり付き合ったり、かつてお世話になった人を忘れてしまう。いわば、感謝リストを上書き保存してしまうわけです。

しかし、自分が「いま」しか見ていなければ、相手も「いま」しか見てくれません。

たった数年連絡が途絶えただけでお互いが「過去の人」になるようでは、あなたが困ったとき、仕事や人生に迷ったとき、手を差し伸べてくれる人はほんのわずかになってしまうでしょう。

・過去にお世話になったすべての人のおかげで、いまの自分がある
・感謝リストの中のひとりでも欠けていたら、いまの自分はなかったはずだ
・感謝リストに定員はなく、無限にストックされていく

以上の原則を忘れず、自分だけの感謝リストをつくっていきましょう。感謝リストの数が増えていけばいくほど、友達の数も増えていくはずです。

ラッキーパーソンという発想

いきなり「感謝の気持ちを持ち続ける」などというと、どこか偽善めいた響きを感じる方もいるかもしれません。また、感謝の大切さを頭で理解していても、なかなか実践できないかもしれません。

そこで、次のように考えてください。

自分に対して一度でも「いいこと」をしてくれた人は、自分にとってのラッキーパーソンなのだ、と。

お世話になったときの気持ちを「嬉しい」とか「ありがたい」だけでは終わらせず、「この人は自分に幸運をもたらしてくれる人なんだ」と考える。そうすれば、これからもずっと大切にしていこうと思えるはずです。

たとえば、なんとなく気が合わないAという人がいたとします。

悪い人ではなさそうなんだけど、なにかぱっとしないとか、誘い方が気にいらないとか、いろいろな要素があるでしょう。

この段階で無理して「好き」になろうとする必要はありません。

でも、そのAさんが、自分にとって力になってくれるBさんやCさんを紹介してくれたとする。あるいは、もっと運命的な出会いを演出してくれたとする。この場合、Aさんは僕の中で「ラッキーパーソン」となります。たとえAさんとの間に価値観の相違があったとしても、ずっと大事にしようと思えますし、感謝することができます。そして大事にする気持ちを持ち続けていれば、「好き」になっていくことも大いにありえます。

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