西シェフの料理が愛される理由
筆者も何度か西シェフの料理を頂いているが、おいしいのは当然ながら、何よりもつくり手の温かみ、真心を感じた。材料に対するこだわりも人一倍強く、料理に対して一切、妥協しない人である。
「選手たちを自分の子供のように思って、温かくておいしいものを食べさせてあげたい、きょうは違うものを食べてもらいたいとか、そういう気持ちを持って料理をつくることが大切だと私は思っています」
ゆえに、戦いの場に向かい、そして、戦いの場から帰ってくる選手たちは、西シェフのつくる食事を愛してやまないのだろう。
西シェフのつくる料理の魅力を、いつの日か岡田に聞いたことがある。彼はこう語っていた。
「西さんの料理はもちろんうまいよ。でも、あの人はただおいしい料理をつくればいいで終わりじゃない。勝たせたいと思って料理をつくってくれている。それが俺たちにも伝わってくるんだよ」と――。
ブラジルの地でも西シェフの料理が、ザックジャパンの活力となる。