2014.06.30
梅澤亮×高宮慎一×高岡美緒「起業家には大きな夢と実現性の両方をもっていてほしい」
Global Shaper Session 2014
ブレないことと柔軟な判断変更ができることが大事
まずは、投資する際に起業家のどこをみているのかについて。主に「金融×テクノロジー(通称: Fintech)」分野に投資を行っているマネックスベンチャーズでは、「金融やその周辺分野に、新しい発想や枠組みにはまらない考え方ができる方に投資したい」と高岡氏。
高宮氏は「ベンチャーはアーリーになればなるほど、事業計画などではなく、人で選ぶことが多い。ブレないことと柔軟な判断変更ができることが大事。自分が新しい世界をつくるくらいのブレない長期的なビジョンがある人は魅力的」と語った。
最終的にどのような大きな絵を描き、リターンとしてどのようなことがあるのかを示していくことが大事になるのだろう。高宮氏は投資先の例として株式会社nanapiを挙げた。
いまや月間3500万訪問数を記録するライフレシピサイト「nanapi」やスマートフォンのQ&Aアプリ「answer」などを展開する同社では、投資した当初、バイトを含めて6名ほどだったが、大きな絵を描いていたという。
「『できることをふやす』というビジョンのもと、ハウツーのデータベースがあれば、全人類すべてが市場になると捉えていた。受託もやりながらだったが、クラウドソーシングでセミプロが記事を書くシステムをつくったことで、『大きな夢』とそこにいたる『実現性』が両方あった」とnanapiへの投資理由を述べた。
この点について高岡氏も共感していた。「金融機関には型にはまった優等生が多く、イノベーションがなかなか出てこない。ワクワクするようなものを金融にもってくる、あるいは金融の周辺事業からでも金融の市場を刺激してくれるような方がでてきたらいいなと思っている」