2014.07.10

WARRIORS、崖っぷちからの逆転劇 ~第2回全日本車いすソフトボール選手権大会~

スポーツコミュニケーションズ

線として機能した打線

決勝の初回、飛島の一打がチームに勢いをもたらした

 予想通りSilver Wingsとの対戦となった決勝戦は、初回に明暗が分かれた。まずは初出場初優勝を狙うSilver Wingsの攻撃。2死無走者からクリーンナップの3連打で満塁と先制のチャンスをつかむ。しかし、WARRIORSAチームで唯一女子選手でありながらエースの清野里美が、ここは踏ん張る。2ストライクから投げたのは見逃せばボールの高めのつり球。それをSilver Wingsの6番打者が打ちにいった。打球はファウルゾーンへ。この瞬間、Silver Wingsのベンチからはため息がもれた。車いすソフトボールの国際ルールでは2ストライク後のファウルはアウトとされる。WARRIORSが満塁のピンチを凌ぎ切ってみせたのだ。

 ピンチのあとにチャンスあり――。その裏、WARRIORSの打線が火を噴いた。まずは高い出塁率を誇る1番・奥村幸平がいきなり三塁打を放ち、チャンスをつくる。すると相手に痛恨のミスが出る。1死後、3番・小林智樹の打球はボテボテの内野ゴロとなるも、相手遊撃手が一塁へ悪送球。この間に奥村が先制のホームを踏み、小林も二塁へ。さらに4番・横濱健太のタイムリー二塁打で2点目が入った。そして一気に流れを引き寄せたのは、キャプテンの一打だった。2死後、6番・源貴晴が三遊間を破り、一、三塁とすると、飛島がそれまでの鬱憤を晴らすかのような打球を右中間へ飛ばした。三塁ランナーの横濱、続いて一塁ランナーの源が生還し、2点を追加。そしてさらに、飛島もダイヤモンドを一周し、ホームへ。キャプテンのランニングホームランにWARRIORSベンチはわき上がった。結局、WARRIORSはこの回一挙に5点を奪い、早くも試合の主導権を握った。

 しかし、車いすソフトボールでの5点はセーフティリードではない。WARRIORS は2回に2点を挙げたものの、Silver Wingsも2回に1点、3回に3点、4回に1点を挙げ、じりじりと追い上げる。4回表を終えた時点で、5-7と2点差に迫られていた。迎えた4回裏、WARRIORSは打順よく1番・奥村からの攻撃だった。それだけにWARRIORSはできるだけリードを広げたいと考えていただろう。一方、Silver Wingsからすれば、最少失点で抑え、終盤での逆転を狙っていたに違いない。両者にとって、非常に重要なイニングだった。

 軍配が上がったのは、WARRIORS打線だった。奥村の二塁打を皮切りに、3連打で無死満塁とすると、4番・横濱が走者一掃のタイムリー二塁打を放ち、3点を追加。さらに5番・斎藤雄大にもタイムリーが出ると、源はボテボテのゴロも、鍛え上げたスピードで内野安打として、無死一、三塁に。そして、打席には初回に3ランを放った飛島。警戒して後ろへと下がり気味にシフトをとるSilver Wingsの守備をあざ笑うかのように、ここで飛島はスクイズを決めてみせた。この回、5点を奪ったWARRIORSが最後まで逃げ切り、13-6で勝利。初戦敗退という崖っぷちから、見事に王座へと這い上がった。

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