2014.07.10

WARRIORS、崖っぷちからの逆転劇 ~第2回全日本車いすソフトボール選手権大会~

スポーツコミュニケーションズ

広がり始めた支援の輪

選手のプレーを真剣に見つめる高山<左奥>

 さて、今大会で増加したのは、チームだけではない。スポンサーも昨年の19から32に増えた。その中には、プロ野球球団もある。昨年から支援している埼玉西武ライオンズと、今年「ファイターズ基金」を提供した北海道日本ハムファイターズだ。また、野球とともにソフトボールをオリンピック競技へと復活させるべく、宇津木妙子元日本代表監督を中心に普及活動を行なっているNPO法人ソフトボール・ドリームも協賛スポンサーに加わった。会場には代表として元日本代表の高山樹里が訪れ、始球式を行なった。

 初めて車いすソフトボールを目にした高山は、こんな感想を述べている。
「車いす競技にはバスケットボールやテニスがあるのだから、ソフトボールもできるんだろうなとは思いました。でも正直、どういうふうにしてやっているのかはあまり想像ができませんでした。そしたら、連携プレーはするわ、守備のフォーメーションまで考えているわで、驚きました。ソフトボールをやってきた人間だからこそ、車いすを操作しながら投げて、捕って、打って、走ってというのがどれだけ難しいことかは見ていてわかるんです。すごい、という言葉しか出てきません。そして何より嬉しいのは、障がいを負ってもソフトボールへの道が開かれているということですよね」
 今後は、ともに2020年東京オリンピック・パラリンピックでの採用を目指すつもりだ。

 こうした支援の広がりについて、山田憲治事務局長はこう語る。
「まだまだ競技人口もチームも少ない。認知、普及においては、課題は山積みです。でも、環境の変化におけるスピードは速いと感じています。昨年、日本車いすソフトボール協会を発足させ、第1回全日本選手権を開催することができたわけですが、その1年後の今年にはスポンサーが2倍近くにも増え、会場も公園の駐車場から、日本ハムや札幌市の協力のもと、札幌ドームという立派な施設の駐車場を借りることができた。やはり野球文化が根強い日本では、大きな可能性を秘めた競技だということを改めて感じています」

 認知、普及、育成、強化、環境整備……すべてが未完成である。しかし、だからこそ、車いすソフトボールには将来性が感じられるのだ。一歩、一歩が歴史となって刻まれていく。その姿を今後も追いかけていきたい。

(文・写真/斎藤寿子)

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