「多様性を受け入れ、みんなが生きやすい教育をつくることが重要になる」---安倍昭恵氏が主宰する「UZUの学校」開校式レポート【後編】

7月13日、IID 世田谷ものづくり学校にて、女性の第一歩を応援する「UZU(うず)の学校」の開校式がおこなわれた。この学校の校長を務めるのは、首相夫人の安倍昭恵氏。
開校式には、100人ほどの女性参加者が集まり、パネルディスカッションやワークショップをおこなった。この記事では、「教育の未来」をテーマにしたディスカッションと、ワークショップで生まれたアイデアを紹介する。(前編はこちら)
■パネリスト
安倍昭恵(UZUの学校校長)
林真理子(作家)
古市憲寿(社会学者)
秋沢淳子(TBSアナウンサー)
仁禮彩香(女子高生CEO/GLOPATH社長)
■モデレーター
小川和也(グランドデザイン&カンパニー代表)
「いまの子どもは、スマホの世界が自分の世界となっている」
モデレーターの小川氏から「いまの教育についてどう感じているのか」という問いかけからセッションが始まった。

高校生の娘をもつ作家の林氏は、日本文化の深まりと広がりを目的としたボランティア団体「エンジン01」の幹事長も務めている。「学校に出張授業をやっているなかで、いろいろと思うところがある。教育とは、1人で生き抜くこと。しかし、いまの子どもはスマホの世界が自分の世界となっている」。
次にTBSアナウンサーで、一般社団法人スプートニクインターナショナルの事務局・広報も務める秋沢氏は、日本人がドメスティックになりがちであるだけでなく、若い人がドメスティックなことへの知識も欠けていることを危惧しているという。「世界に出て、日本のことを認識しないと、外で話せない。世界には違いがあると知ること。違いの尊重から、対話や生きることもつながる」。
現役高校生の仁禮氏には「自分が校長になるとしたら、どういう学校をつくりたいか」と小川氏から質問があった。
「いま、自分たちの会社(株式会社グローパス)で幼稚園と小学校を経営している。子どもによる子どものための学校で、朝にはアセンブリー(集会)がある。そこでは、みんながフロアに座って、子どもたちが喋り、先生は輪の外にいる。子どもたち同士で高め合う教育の環境づくりを目指している」(仁禮氏)
「5教科を朝から晩まで勉強するのが本当にいいことなのか」

グローバル教育や未来の学校についても話が及んだ。
「(スプートニクインターナショナルが活動する)スリランカには、貧困をはじめとする社会的弱者がいる。そこで、児童福祉施設や孤児院を運営しており、お金や環境のせいにしてはいけないと学んだ。スリランカでは、制服が買えない、バス代が払えないということもあるが、そこでできる最大限のことをやっていくということ。『べき論』ではなく、できることをとにかくやり抜いていくことで、ちゃんとした大人になると思う」(秋沢氏)
「これからの教育を考えたとき、たとえば、週休2日がどれだけ妥当かとかも考える必要がある。また、住んでいるところが近いだけで、朝から晩まで学校生活が一緒というのは健全なのか。5教科を朝から晩まで勉強するのが本当にいいことなのかどうか。プログラミングのほうがよかったりするのでは」(古市氏)