2014.08.25
# 本

元米陸軍情報将校が明かす「敵がソ連から北朝鮮、中国に変わり、日米が運命共同体でなくなった本当の理由」

『2020年日本から米軍はいなくなる』第1回

米国の国益に拉致問題は関係なし

---確かに、日本が考えている日米同盟と少し違うような・・・。

日本が対北朝鮮で持ち出している拉致問題も、米国の国益とは何の関係もないですから、政治的な関心はゼロです。ブッシュ大統領の時も「同情しますよ。でも、ウチは関係ないです」というスタンスでした。

ところが、日本は北との交渉で、つねに拉致問題解決を最初に挙げています。さらに、6者協議に持ち込もうとしたこともありましたね?

---対北では、なんといっても拉致問題は日本の一番の問題ですからね。

しかし、6者協議は、北の核の話がテーマなのであって、拉致は関係ないです。ここにも、日米の温度差は出ています。

---なるほど。

普天間基地の問題も、日本は、沖縄の地域問題として捉えていますが、米国は、東アジア全体をチェス盤と考えて、その中の一つとして普天間基地を捉えています。

国内問題として捉えている日本と、世界を6つの戦略シアターに分け、そのうちのUSPACOM(米太平洋軍)内の問題と考えている米国とでは、当然考え方は違います。

---何故、そのような違いが出てくるのですか?

『2020年日本から米軍がいなくなる』
著者= 飯柴智亮 / 聞き手・小峯隆生
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国家戦略目標があるか、ないかの違いです。

最初に、米国には、国家の指針としての国家戦略目標があります。大統領が代わっても、米国はつねにパックス・アメリカーナの下に、米国主導の世界平和を維持することを基本としています。

これこそが、米国の国家戦略目標です。民主党であろうが共和党であろうが、誰が大統領に就任しようが、国家戦略目標は変わりません。

民主党のオバマ政権下では、世界の警察官としての任務を少し放棄しかけていますが、基本は変わりません。要するに米国の一国主導の下にやっていく。国連は付属物でしかないということです。

そこでお尋ねしますが、日本人に、「日本の国家指針はなんですか?」と聞くと、どういう答えが返ってくるでしょうか?

---拉致問題解決と、普天間移設問題ですか?

それらは、日朝の二国間の問題と、沖縄の地域問題ですよね。

---あっ、そうです。

日本人で、日本の国家戦略目標をすっと答えられる人はほとんどいません。

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