2014.08.25
# 本

元米陸軍情報将校が明かす「敵がソ連から北朝鮮、中国に変わり、日米が運命共同体でなくなった本当の理由」

『2020年日本から米軍はいなくなる』第1回
これが「日米同盟」の風景。一番奥、米海軍原子力空母ジョージ・ワシントンと並航する海上自衛隊の「軽空母」ひゅうが(奥から二番目)

---ヘーゲル国防長官が、「NATOは米国をいつまでも頼りにしてないで、自国の防衛にもっと金を使えよ」と言っていましたが、NATOも日本と同じ立場ですか?

少し違います。NATOは米国を利用しているといったほうが正しい。米国に金を使わせています。逆に日本は、完全に米国に利用されています。

---利用されている?

「思いやり予算」を払い、米国の言うことはとにかく右にならえで全部聞いているといっていいでしょう。

---それなのに結局、同床異夢で、捨てられようとしている・・・。

そのようですね。日米同盟の存在理由として唯一残っているのは、日本の地理的条件だけですね。

---ユーラシア大陸の太平洋側で、大陸から海に進出しようとしている勢力を辛うじて止めている城壁のような日本列島、ということですか?

そうです。この発想を実感したのは、アフガニスタンに米陸軍第82空挺師団兵士として出征した時ですね。

---どうなっていたんですか?

自分が駐留していたのはアフガニスタンの米軍基地でしたが、米軍基地の外側を囲むようにして、訓練しているアフガニスタン軍の基地が配置されていたんですね。

だから、外側から敵に攻撃されたら、最初にやられるのはアフガニスタン軍なんですね。なんといっても米国人は、緩衝地帯を置くのが好きなんですよ。

---東アジアでは、そのアフガニスタン軍が、日本国自衛隊なんですか?

そうなります。

---その日本から、在日米軍が撤退してしまうのですか?

既に、始まっています。そして、最悪の事態を考えると、米軍は日本から全面撤退します。

→第2回「アメリカ軍が日本から撤退する理由」はこちら

2020年日本から米軍はいなくなる』より抜粋
(本文写真/柿谷哲也、UAAF、USDOD、USMC) 

飯柴智亮(いいしば・ともあき)
1973年、東京都生まれ。元アメリカ陸軍大尉、軍事コンサルタント。16歳で渡豪、『ランボー』に憧れて米軍に入隊するため19歳で渡米。北ミシガン州立大に入学し、学内にて士官候補生コースの訓練を終了。1999年に永住権を得て米陸軍入隊。精鋭部隊として名高い第82空挺師団に所属し、2002年よりアフガニスタンにおける「不朽の自由作戦」に参加。"世界で最も危険な場所"と形容されるコナール州でタリバン掃討作戦に従事。03年、米国市民権を取得して04年に少尉に任官。06年中尉、08年大尉に昇進。S2情報担当将校として活躍。日米合同演習では連絡将校として自衛隊との折衝にあたる。09年除隊。現在、アラバマ州トロイ大学大学院で、国際問題を研究し、国際政治学のPh.D.(博士号)取得を目指す。

小峯隆生(こみね・たかお)
1959年、兵庫県生まれ。筑波大学非常勤講師、同大学知的コミュニティ基盤研究センター客員研究員。

関連記事