2014.08.30
# 雑誌

笹井芳樹氏を追い込んだ「小保方への愛情」と「山中教授への対抗心」

「逃げ場」も「勝ち目」もなく…
週刊現代 プロフィール

自分の生涯を懸けた分身にも等しいビルが目の前で建設されているのに、自分はもう、ここにはいられない。プロジェクトから去らねばならない。建設が進む「城」を見るたび、笹井氏は逆に、自分の失ったもの、失っていくものの大きさを痛感しただろう。そして、同氏が自ら命を絶ってしまったことで、「城」はそのまま彼の墓標となった。

笹井氏の自殺は日本の科学界にとってあまりに大きな損失だ。誇張なしに、二度と取り返しのつかない悲劇である。だが、だからこそ、その死の原因となったSTAP疑惑には、必ず決着をつけなければならない。

 

東京大学医科学研究所特任教授の上昌広氏はこう語る。

「STAP問題の第一の当事者は小保方さんです。元を辿れば、論文不正が分かった段階で彼女が過ちを認めるべきでした。それをしなかったために、死者まで出てしまった。彼女に残された道は論文の主著者として責任を果たし、問題にケリをつけることでしょう」

小保方さんは、「200回以上も成功している」と断言した。望まれれば、「どこでも再現実験をしてみせる」とも語っていた。ならば、あと1回、たった1回言葉通りにSTAP細胞を作成してみせれば、日本の最高頭脳が失われることもなかったのだ。

もはやこの騒動に、どんな形であれ決着をつけることは、彼女にしかできない。精神的ショックを乗り越えて、命を断った上司に応えるのは、小保方さんの義務だと言える。

「週刊現代」2014年『8月26日号より

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