
寺島が、映画『キャタピラー』('10年)で見せた、戦争により四肢を失った夫と性行為に及ぶシーンは、もはや伝説となっている。まさに「魂」で演じた濡れ場だった。その演技は海外でも高く評価され、ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した。
「役者は観念ではなく、本能で芝居をしないと心の表現まではできない。全身全霊で芝居に向き合ってこそ、寺島さんのような『本物』の女優になれるんです」(日下部氏)
アカデミー賞はこの人
そしてなんと3位に輝いたのは、今年の大河ドラマ「花燃ゆ」で主演を務める井上真央(27歳)だ。
「ここ最近の井上さんの成長には、目を見張るものがあります。彼女は元々ドラマ『キッズ・ウォー』('99~'03年)で子役としてブレイクした。そのため子役のイメージがなかなか抜けずにいたんですが、永作博美さん(44歳)と共演した『八日目の蝉』('11年)で完全に化けた。原作は角田光代さんで、母だと思っていた女性(永作)が、実は、自分を誘拐した犯人だったという重たい設定。そんな陰のある役を演じることで、子役から大人の女性へと脱皮したんです」(中森明夫氏)