15名の起業家・投資家たちが学生に語った「アントレプレナーシップ」とは?
Re-Generate JAPANオープンフォーラム

世界経済フォーラム(通称ダボス会議)が選出する32歳以下の若者たちが集うGlobal Shapers Community。その東京ハブは、昨年末に地方学生を中心とした起業家支援プログラム「Re-Generate Japan」を始動させた。地方の高校生・大学生を対象に"地方に新しい仕事を創る"ことをテーマとしたビジネスコンテストを行い、最大200万円の賞金も含めた教育プログラムなど、起業から実業化までのプロセスを支援するプロジェクトだ。コカ・コーラ財団がスポンサーとなる。
2014年12月14日、「Re-Generate Japan」オープンフォーラムが新宿で開催され、IT・教育分野の第一線で活躍するリーダーたちのもとに、北海道から沖縄まで全国各地から約130名の学生が集った。
プロジェクトを主宰するグローバルシェイパーズ東京ハブの梅澤亮氏は冒頭、「私たちは、きっかけを作っているだけで、行動するかどうかはみなさん次第です。私たちは、みなさんを応援していて、全力でサポートしたいと思っています。ここから、1億円を生み出す企業が生まれることを期待しています」と学生たちにメッセージを送った。

600名を超える応募から選ばれた、13歳の中学生から23歳の大学生までの若者たち。アイデアと意思を持って集った彼らを前に、計15名の人生の先輩たちによる5つの"特別セッション"が繰り広げられた。
自ら変化を創り出し、変化によって自らを変える
株式会社インテリジェンスの創業メンバーで、現在楽天で代表取締役副社長執行役員を務める島田亨氏は、起業した当初のエピソードを振り返りながら"アントレプレナーシップ"を説いた。
新卒でリクルートに入社した島田氏は、会社で仲間を見つけ、「1000人で1000億円を稼ぐ会社を作る」というシンプルで大きな目標を掲げ、起業を志した。「いかにお金を使わず、いかに稼ぐか」を軸に、「誰かがすでに作ったマーケットに違うアプローチで、オセロの駒を白から黒にする」という考え方のもと、ビジネスアイデアを試行錯誤し、1989年24歳でインテリジェンスを創業した。
インテリジェンスを目標値を超える企業に育て上げた後、ベンチャー企業の投資と経営を経て、2004年、楽天野球団の取締役社長に就任。そのときの決断についてこう語る。
「球団の社長と言われても何をするのかわからない。想像できないことにアントレプレナーシップが刺激され、決断しました。旧態依然の球団経営にこれまで培ってきたベンチャースピリットで一石を投じたいと思ったんです」
学生から質問があがった決断の基準については、「どれだけ多くの判断を、どれだけ短くできるか。目的に対して、正しいことであれば、70点80点でもよい。100点だと思って判断しても間違えるので、方向性さえあっていれば、80点でも行動して、PDCAをまわすことのほうが大事」だと答えた。
島田氏は、いまでも自身の座右の銘としているリクルートの社是であった言葉を学生たちに送った。
「自ら変化を創り出し、変化によって自らを変えよ」
