2015.05.20
# 航空機

「空のラッシュ」はこうしてさばかれている『新しい航空管制の科学』

宇宙から見守る「空の交通整理」
園山 耕司 プロフィール

 第2・3章では航空管制の考え方、基準、宇宙利用のシステムなどを理解していただく章をはさみます。

 そして第4章の北太平洋路線の紹介には、太平洋上とアメリカ国内の航空管制を例に、最先端の衛星利用技術の理解をさらに深めていただく狙いがあります。陸地から遠く離れた北太平洋上の飛行には人工衛星の利用が欠かせません。

 着陸時の管制にも人工衛星は利用されています。そして、より精度の高い着陸に使われるレーダーや計器着陸装置については、空の旅の目的地のシンガポール国際空港、サンフランシスコ国際空港、そして第6章で函館空港を例に、それぞれ異なる視点から説明し、理解していただけるように配慮しました。

 さらに、日本ではまだ完全ではありませんが、高い精度・信頼性・完全性をもつ、人工衛星を利用した最新の着陸管制も見ていきたいと思います。

 第5章でこれまでの2つの路線と異なるロシア上空を横断する、ヨーロッパ路線の特徴を概観していただきます。ロシアは西欧とは異なる独自の管制基準をもっています。また多くの国々がモザイクのように国境を接しているヨーロッパでは、より複雑なシステムになっています。

 最後の第6章では日本国内路線を紹介します。電離層の影響など、日本の実情に合ったレーダー監視のもとでの衛星の利用方法を理解していただけると思います。

 また近年、人工衛星の利用が進んでいる有視界飛行についても触れておきます。

有視界飛行

 読み進んで、衛星利用の航空管制の現状を知っていただくにつれて、それぞれの航空管制の特徴や違いなどがお分かりになっていくと思います。

 次に飛行機に搭乗されるとき、本書で得た知識によって、その大空の旅がより楽しいものになれば幸いです。

著者 園山耕司(そのやま・こうじ) 
一九三五年生まれ。元航空管制官。航行支援アナリスト。防衛大学校応用物理科卒業。アメリカ空軍で航空管制を学んだのち、航空自衛隊で実務と航空行政の双方に携わる。一九七一年、日本の航空史上最大級の事故であった雫石上空での空中衝突事故の対策立案のため、二年間にわたって欧米四ヵ国の実情調査に参加。航空自衛隊保安管制気象団防衛部長などを経て一九九〇年退官。二〇〇六年、瑞宝小綬章受章。著書に『航空管制の科学』(講談社ブルーバックス)、『図解 座標科学でわかる航空管制』(秀和システム:第39回交通図書賞受賞)、『航空管制官はこんな仕事をしている』(交通新聞社:政府刊行物指定)他がある。
『 新しい航空管制の科学 』
宇宙から見守る「空の交通整理」

園山耕司=著

発行年月日: 2015/05/20
ページ数: 256
シリーズ通巻番号: B1916

定価:本体  940円(税別)
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(前書きおよび著者情報は初版刊行時点のものです)

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