松井医師は、一番重要なのは、緊張でこり固まった首を「ゆるめる」ことだ、と説く。
「長時間机に向かっているときなど、15分に一回、30秒ほど手を添えて頭を後ろに反らしてあげるといいでしょう。そうすると首の後ろの筋肉が緩み、溜まった老廃物を血液が流してくれますから、こりがやわらぎます」
さらに、普段から意識的に首をケアすれば、首こりを未然に防止することも可能だという。首を揉まずにできる対処法として松井医師が推奨しているのが、下のイラストで紹介している「松井式555体操」だ。
それぞれの動作が「5秒」や「5回」で済む手軽な内容だが、首の全ての筋肉を効率よく伸び縮みさせられるようプランニングされており、一日に2回取り組めば、高い効果が得られるという。
この体操に加えて、松井医師は「首は冷やすのではなく、しっかり温めることが重要だ」と語る。
「風呂に入るときは、41℃くらいのお湯に顎の辺りまで10分ほど浸かり、首の後ろを充分に温めます。湯上がりには、髪をしっかり乾かして冷えないようにしましょう。睡眠をとるときは自分に合う高さの枕を選んで、一日8時間は横になり、首を休めてあげることが大切です」(松井医師)

以上の方法で、首の筋肉をしっかりゆるめたうえで、さらに首の状態を整えたい人が心がけるべきポイントを、三井記念病院の中口博脳神経外科部長が解説する。
「まず、普段から姿勢をよくするように心がけることが大切です。