【沿線革命058】JR連続不審火事件に、直下型地震のリスク……「防災の日」にあらためて鉄道の安全対策を考えよう

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9月1日の防災の日は関東大震災にちなんだものだ。鉄道の大地震への備えやいかに。また、最近頻発した放火によるケーブル火災を防ぐにはどうすればいいか。
9月1日は防災の日
関東大震災は92年前の1923(大正12)年に発生し、190万人が被災し、10万5千人余が死亡または行方不明となった。
1960(昭和35)年に、9月1日は防災の日とされ、全国各地で防災訓練その他が実施されるようになった。鉄道各社では今年も、大地震や大規模火災を想定した防災訓練が実施された。
鉄道防災の対象としては、雨・風・雪・雷といった気象災害、地震や火山噴火といった地殻に関わる災害、人為的な攻撃等がある。
ここでは、鉄道への外部からの攻撃の中で、備えの強化が望まれる人為的な攻撃と首都直下地震に絞って対策を提案する。
都内で続くJR不審火
8月に、JRのケーブルや変電所等での火災が7件相次いだ。18日の国立-立川、22日の東中野付近、27日の恵比寿付近のケーブル火災では、信号機への電源供給が途絶える等により列車を運行できなくなり、それぞれ数万人へ影響した。

少なくとも国立-立川を除く6件は、電線のショート等の内部原因とは考えられず、また一部では防犯カメラに不審者が写っていた。警視庁は捜査本部を設置し本格的な捜査に入ったので、早晩、犯人は捕まるだろう。
私も、恵比寿のケーブル火災の関連で8月27~28日に、テレビ5件、新聞1紙、ラジオ1件から取材を受けた。ケーブルのカバーが主体に燃えたこと、離れた2箇所で同時に出火しタバコの投げ捨て等ではあり得ないことから、放火の可能性が高そうとは感じた。
しかし、柵は破られても、焼かれてもおらず、人通りも多い昼間に放火するには無理のある場所で、放火とも断言できなかった。
その後に改めて考えると、耐火性の低いケーブルの接続部が狙われており、鉄道設備に詳しく、かつ線路敷内に入れる者が、深夜に時限式の発火装置を仕掛けた可能性が高いように思う。