それは5月。「なりやすい病気」は一つもなく、「風邪(急性上気道炎)」や「結膜炎」にかかりにくい。「最も健康な人が多い誕生月」と言えるのだ。
7月生まれの人も特に注意すべき病気はなく、5月に次いで総合的なリスクも低かった。「下痢」や、「非炎症性の膣疾患」など生殖系疾患にも女性はかかりづらい。
6月、8月生まれもリスクは低めで、意外なデータとしては、6月生まれは最も性病検査にひっかかる人が少ないことが分かった。
総じて見ると、秋から冬にかけての誕生月の人は「なりやすい病気」の数が多く、春は心臓系の重病になりやすい。そして、初夏から夏真っ盛りの時期に生まれた人のほうが、病気になるリスクは低めという結果になった。
東京大学医科学研究所の上昌広特任教授は、この論文をこう評価する。
「人間の体質や成長に、生まれた季節が関係するということは大いに考えられることです。統計的に病気の発症率を調べる方法論はとても有効だと思います。
統計的なデータをとることで、病気の原因を突き止めることにも繋がり、対策もとることができる。非常に価値のある調査ですし、日本でも同じような研究をする人が出てくるでしょうね」
誕生月と病気との関係が分かったとは言え、生まれた月はいまさら変えられない。
今回のデータはあくまで参考に、常日頃の体調管理をしっかりすることで、健康で長生きを目指したい。
「週刊現代」2015年9月12日号より