まるで大本営発表! 安倍首相・新アベノミクス会見はウソとゴマカシだらけ ~政府が隠した「不都合な数字」と、消された移民問題

国民をナメてはいけない
「口を拭う」(「悪いことや、やましいことをしても、素知らぬ顔をする」の意)とは、こういうことだろうか。
自民党総裁として正式に再選されたことを受けて、安倍晋三首相は、シルバーウィーク明け(9月24日)の記者会見で、「新3本の矢」をお披露目し、「これからも『経済最優先』」と強調した。
自身が国会の会期を戦後最長として、安全保障関連法案を強引に成立させたことなど、すっかり忘れたかのようである。国民を舐めてはいけない。来年の参議院議員選挙へ向けて支持率を回復しようと、再び「経済最優先」で人気取りを図る魂胆が透けている。
しかも、この新3本の矢がデタラメなのである。「強い経済」「子育て支援」「社会保障」の3つから成る新3本の矢は、いつものように美辞麗句を並べただけ。実現は不可能に近い。
深刻なのは、新3本の矢には「種本」があり、その種本が安倍政権に実現を求めた、移民という「口に苦い」政策の存在を隠ぺいしたことだ。やる気もないのにやるという、首相の政策の実態を検証してみよう。
まず、新3本の矢を巡る記者会見だ。首相の自見党総裁再選を決めた両院議員総会後、平河町の自民党本部で会見し、
「デフレ脱却は、もう目の前です。この3年で、日本を覆っていた、あの、暗く、重い、沈滞した空気は、一掃することができました。日本は、ようやく、新しい朝を迎えることができました」
と切り出した。旧アベノミスクの成果を自ら誇示したのである。
この前置きからして、看過できるものではない。というのは、首相会見の翌日、総務省が発表した8月の消費者物価(2010年を100とした指数)統計で、値動きの激しい生鮮食品を除く総合指数が103.4と、前年同月比0.1%のマイナスに転落したからだ。
マイナスは2年4カ月ぶりである。消費増税の直接的な影響がなくなった今年春以降、消費者物価は上昇幅が徐々に縮まってゼロ近辺で推移していた。