2015.10.20

核燃料サイクル計画の是非を問う!
〜建設費2兆円。数多のトラブルに見舞われた「六ヶ所再処理工場」視察記

使用済み燃料の貯蔵プール

いまだ確立されない再処理技術

果たして、“23度目の正直”は実現するのか――。

真冬のような風が吹き荒れる中、筆者は先週、青森県の下北半島を訪れた。「使用済み燃料を再処理して再び燃料にする」という核燃料サイクル計画の鍵を握る、日本原燃の六ヶ所村再処理工場の建設現場を取材するためだ。

すでに前身の会社設立から35年が経過したにもかかわらず、肝心の再処理工場は数々のトラブルに見舞われ、実に22回の竣工延期を繰り返してきた。当初7,000億円と見込まれた建設費は2兆円に達しているという。

だが、再処理技術はいまだに確立されていない。最低でも「40年間で総額12.6兆円は必要」とされる資金についても、最終的に負担を強いられる国民が理解のうえで支持しているとは到底思えない。

それでも、国は再考する気がないようだ。逆に、福島第一原発事故の後始末が終わらない段階で開始した電力自由化が妨げになりかねないと、日本原燃を株式会社から国の認可法人に衣替えさせ、同社が再処理事業から撤退する道を塞ぐという。

本当に、使用済み核燃料の処分の方策が「再処理」だけで大丈夫なのか。国がかたくなに拒み続ける「直接処分」は不要なのか。迷走する原発政策を、一段と混迷させてきた「再処理政策」のあるべき姿を、最前線の六ヶ所村で検証してみた。

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