
「安心」を買う商品とも言われ、入っていれば大丈夫というお守りのような印象もある保険。だがいざというとき、意外にも「保険が出なかった」という悲鳴が続々と上がっている。あなたは大丈夫か。
「ちゃんと書いてありますよ」
「そもそも、多くの方が勘違いしているんですよ。『保険』という商売を、何か慈善事業のように思っていらっしゃって」
ある40代の現役生保社員は、こう彼なりの「不満」を吐き出した。
「生命保険や医療保険というのは、決して加入者の助け合いの気持ちや、『絆』ではありません。純然たる『賭け』です」
生命保険や医療保険。日本では、多くの人が、何らかの保険商品に加入している。
実際、最新の調査では、日本の生命保険に関する世帯加入率(生命保険に入っている人がいる世帯の割合)は、89・2%(平成27年度生命保険に関する全国実態調査)。約9割の世帯で、家族の誰かは生命保険に入っている状況で、日本は世界的にも珍しい「保険大国」だ。
だがこの、「一家に一契約」とも言える保険で、「いざというとき、思ったような保険金がもらえなかった」という不満の声が続出しているのだ。
たとえば、こんな例がある。東京・大田区在住の豊島健吾さん(63歳・仮名)は、10年以上前から、がん保険に加入し、月々の保険料を支払ってきた。
昨年初め、前立腺がんと診断され、前立腺の全摘手術が必要と言われた。ショックを拭い去ることもできないなか、入院の手続きを進めていたが、保険会社に問い合わせると、「今回の入院では、給付金のお支払いはできません」と回答され、仰天した。
なぜ、保険金は支払われないのか。