2016.04.10
# 本

カラスはかわいい鳥です!! 「カラス萌え」の専門家が書いた入門書がおもしろすぎる

―カラスが「遊ぶ」ことについて、どう思われますか?

松原 遊んでいるとしか言いようがねえな、というのはありますね。犬の尻尾くわえて引っ張って、ばう、と吠えられると逃げて、また引っ張りに行くとか。ちょっかい出して楽しんでる。

雪の中に嘴を突っ込んでぷるぷるとやってるとか、ころんころん転がったりとか。最初はたまたま転んだんでしょうが、雪の上で転がるのが楽しいことに気づいて、やってみた。電線からぶら下がったり、一回転したり。

フリスビーで雪の上を滑る映像があったけど、よく見るとカラスの好物マヨネーズの缶だった。食べようとするうちに缶ごとすべっちゃったんでしょう。これなんかは食べたいのが先。カラスのすることすべてが遊び、というのは間違いです。本人は大まじめ、ということもあるはずです。

―歩き方ですが、アヒルのようにぺたぺた歩いたり、スズメのようにぴょんぴょん跳ねる鳥もいますね?

松原 カラスは両方やります。両方やる鳥は少ないです。ハシブトはぴょんぴょんすることが多い。ハシボソはとことこ。神経系、骨格、いろいろ関わっているんでしょうが、ぴょんぴょん跳ねるのは、木の枝の上で発達した動きですね。木の枝では足を交互に出さなくていい。そこから変わっていない。ハシボソは地面をひたすら歩くので、とことこが得意になったんだと思います。地上の滞在時間もハシボソが4倍くらい長い。

―カラスの俗説の検証をお願いします。人の顔を覚える。恨みを忘れない。これは?

松原 しつこく苛めると覚えますね。そうなると、顔を見ただけで威嚇する。何年でも覚えています。

―黒いものに反応する。これは?

松原 微妙なセンだな。ヨーロッパのニシコクマルガラスは黒いものをぶらぶらさせていると問答無用で襲ってくる。動物行動学の祖、コンラート・ローレンツによると、水泳パンツをもってるだけで威嚇したと。捕食者に仲間が捕まったと思うんですね。日本のカラスがそこまでやるかは微妙。ただ、カラスが死んでいると騒ぎます。

―カラスの死体を持っていたりすると?

松原 一瞬で敵認定されますよ。それは仲間意識というより、ひっくり返せば自分のためなんですけどね。我々が考えるような同胞意識とは違うと思いますね。自分が危険を避けられれば、それでいい。鳥はみんなそうですよ、人間がむしろ特殊。無駄に仲間に共感する能力を持っている。

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