2016.04.25
# 本

長渕剛との対話
〜人間にとって「暴力」って何ですか?

杉田俊介『長渕剛論』刊行記念
杉田 俊介 プロフィール

長渕はこれまで、自衛隊の若者や特攻隊の青年に対して、率直な共感を寄せてきた。世間一般には、自衛隊や特攻隊について賛美する人間は、そのまま軍国主義的であり、他方で、憲法九条などにもとづく反戦平和を語る側の人々は、そもそも軍隊や自衛隊の存在そのものを認めない、という話になりがちである。

この国の言論の世界には、そのような根深い対立構造があるのだが、長渕の場合は、自衛隊や特攻隊の若者が強いられた矛盾に寄りそいながら、しかし、まさにそれゆえに、はっきりと反戦や平和を主張していく。

今の世の中では、なぜか、長渕のような態度は矛盾やねじれとして受け止められがちになっているのだが、そこには、まっすぐに一貫した思いがあるのだ。

(*本記事は杉田俊介『長渕剛論 歌え、歌い殺される明日まで』からの一部抜粋です。つづきは本書でお楽しみください)

杉田俊介(すぎた・しゅんすけ)
1975年、神奈川県生まれ。批評家。法政大学大学院人文科学研究科日本文学専攻修士課程修了。文芸誌、思想誌に文学やサブカルチャーについての批評を発表するとともに、若年層の非正規雇用問題にも深く関わり、その論考が注目される。また、20代後半より障害者介助を生業としている。著書に『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院)、『宮崎駿論──神々と子どもたちの物語』(NHKブックス)など。

関連記事