ハワイのゴルフ旅行も税金で
舛添氏の場合は、湯河原の別荘に公用車を使って毎週のように通っていたことや、知事就任前に政治資金を使って千葉へ家族旅行に出かけ、30万円以上を使い込んでいた疑惑が浮上した。
しかし、旅行に関してはこの国会議員のほうがもっとひどい。
「『視察旅行に出かける』という名目で、衆議院の議長に届けも出さずに海外へ行ってしまい、実際は若い女性同伴でゴルフ三昧だったということが、もう何度もあります。行き先がいつもハワイや済州島だから、バレバレなんですけど……」
仕事をズル休みしたうえ、税金を使って海外旅行とは、まさに「いいご身分」である。これほどの、言うなれば「マスゾエぶり」を目の当たりにしながら、何も口答えのできない秘書の立場が気の毒だ。
さらに、一般の国民には決して窺い知ることのできない「ブラックボックス」を、国会議員は持っている。それが「文書通信交通滞在費」、通称「文通費」である。
すべての国会議員には、月々約129万円の議員歳費とは別に、毎月100万円、年間でしめて1200万円もの文通費が支給されている。文通費には、報告・公開の義務が存在しない。好きな用途に使い放題、ということである。
前出と別の自民党議員秘書はこう語る。この秘書が仕える議員は、閣僚経験もある大物だ。
「最近は国民の目も厳しくなっていますし、『使途を全て公開すべきだ』と考える議員やそれを実行する議員もいますが、少なくとも自民党は、まだそこまで進歩的ではありません。
うちの代議士も、数年前までは赤坂や新橋、向島の有名料亭で、芸者を揚げて毎週のようにどんちゃん騒ぎをしていましたね。当然、払いはウン十万円になるわけですが、その代金を文通費から出していた。赤坂の議員宿舎に住んでいるし、地元が首都圏で近いからほとんど帰る必要もない」
この議員には「交通費」も「滞在費」も必要なかったというわけだ。
「当然、それでも足りない分が出てくるわけですが、その時は支援してくれている企業にツケを回していました。しまいには(永田町の隣の)平河町に事務所を構えている代議士の息子まで飲食代を企業に回すようになった。
ある日、店から議員事務所に電話がかかってきて『会社さんに「ひどすぎる。もう払えない」と泣きつかれましたよ』と言われたこともあります」(同・大物議員秘書)