【間もなく上場】コメダ珈琲はこんなにスゴイ!営業利益30%「異次元の高収益」体質を分析する

田中 博文 プロフィール

IFRSの特徴とは?

内閣府令の連結財務諸表規則では、「金商法の規定により提出される連結財務諸表は(中略)一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする」とされている。

この基準に照らし合わせた結果、日本では、従来からの日本基準、米国で上場したり、米国預託証券(ADR)を発行している発行体が採用している米国基準、そして、2005年よりEU域内市場での統一基準として採用され、世界120カ国以上で採用されている国際財務報告基準(IFRS)が認められている。

要は日本の上場会社の連結財務諸表は3つの会計基準が混在していることになり、財務諸表を見る場合にはどの会計基準を適用しているかを確認する必要がある。

コメダHDの383億円ののれんは2013年にMBKパートナーズが旧コメダを買収した時に発生したものである。

今回コメダHDは新規上場企業として、すかいらーくに次ぐIFRS適用企業ということだが、既に各方面から指摘されている通り、IFRSは日本の会計基準とIFRSとではのれんの定義が異なり、日本の会計基準では償却していたのれんをIFRSでは償却しない。

日本の現行の会計基準では、M&Aにおける取得価額と買収した会社の貸借対照表の時価純資産との差額をのれんと認識し、買い手の貸借対照表に無形固定資産として資産計上し、計上されたのれんは、20年以内に均等償却される。

本来、IFRSでは取得価額と買収した会社の貸借対照表の時価純資産との差額、いわゆる日本の会計基準でいうのれんを、さらに顧客データ、ブランド価値、ソフトウェアなどの無形資産に配分し、最後に残った部分をのれんとするわけだが、これも、重要な会計方針の企業結合の注記を見る限りでは、前述の通り、日本基準帳簿価額の383億円全額をのれんとしている。

IFRS適用により、コメダHDは毎年20億円超の費用計上せずに済むわけだが、一方で当然ながら、IFRSでは毎年減損テストが義務づけられており。買収した会社の業績が悪化すれば、計上しているのれんを減損することになるため、多額の減損リスクを背負うことになる。全額ではないにしろ、コメダHDは最大383億円の減損の可能性があるわけだ。

ただ、仮にコメダHDが日本会計基準で毎年20億円ののれん償却を行っていたとしても、前期の営業利益は45億円であり営業利益率は20%を超え、業界1位の利益率であることは変わらない。

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