【間もなく上場】コメダ珈琲はこんなにスゴイ!営業利益30%「異次元の高収益」体質を分析する

田中 博文 プロフィール

稀有な成功例

2013年にMBKパートナーズが旧コメダを買収するにあたり、銀行からシンジケートローンを調達して、現状、その借入金には財務コベナンツが付与されている。

現在の契約は2015年2月20日にリファイナンスされた三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行を貸付人とし、三菱東京UFJ銀行をエージェントとする金銭消費貸借契約であり、当初借入額は288億円。

その内訳は3つに分かれる。

1.トランシェA 117億円(TIBOR+0.25%)
2015年8月末日から6か月ごとに決められた金額を返済

2.トランシェB 171億円(TIBOR+0.5%)
2021年2月末日を期日一括返済

3. トランシェC10億円(TIBOR+0.5%)
返済の余力バッファーとして使用することを目的としたリボルビングローン

トランシェを分割返済、期日一括返済、リボルビングローンの3つに分けるスキームそのものはシンジケートローンとしては一般的なものと考えてよい。

財務コベナンツ

1.2015年2月期におけるレバレッジ・レシオ「有利子負債総額÷EBITDA(営業利益+各償却費)」が6.00以下に維持すること。2020年8月期の借入金完済時に3.5以下になるよう、半期毎にそれぞれ調整された基準値を下回ること

2.2015年2月期以降の各決算期末におけるのれん償却費及び、初年度を除いてリファイナンス関連費用控除前の営業損益又は当期損益のいずれか一つ又は複数が赤字となった場合、その翌期における営業損益及び当期損益の全部を黒字にすること。

一般的にはレバレッジ・レシオは5.0以下が適正だと言われており、本件でも当初、負担の大きい初年度の6.0を除けば、ほぼノーマルなコベナンツと考えられる。

コメダHDの今期業績予想は、売上237億円(前期比109.4%)、営業利益68億円(同104.7%)、当期純利益44億円(同108.3%)と開示されており、引き続き好調の見込みである。想定発行価格1960円を一株当たりの利益額101.99円で除すると予想PERは19.2倍となる。

業態で一番近いドトール・日レスの予想PERが15.8倍であり、IPOディスカウントがかかっていることを勘案すると、利益率の高さを十分評価されたと考えて良い。

また、MBKパートナーズの旧コメダの株式取得額が概ね330億円と考えられ、それが3年余りで2.6倍の858億円となれば、彼らのIRRは40%程度となり、セカンダリーバイアウトとしても、投資家からも極めて高い評価を得られるだろう。

コメダHDの事業は基本的にはロイヤリティ徴収、コーヒー・食材仕入一括販売、店舗工事請負等が売上に計上されているため、純粋な喫茶店の利益として見ることは難しいが、今回の上場は、異次元の高収益のFCビジネスを、喫茶店というレガシーな業態で実現させたところにビジネスとしての価値があり、ある意味驚きを隠せない。

代表取締役社長の臼井氏は、三和銀行出身であり、日本マクドナルド、セガの社長も務めた人物。それ以外のマネジメントも商業銀行、投資銀行出身者が名を連ねており、FCビジネスモデルを再定義して、効率化とブランディングによる集客強化が見事に噛み合った稀有な成功例と言えるだろう。今後のコメダHDに期待したい。

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