そして「抜き打ち解散」へ
本誌の予測では、今回の参院選で、自民党は51議席を獲得するとみられる。単独過半数にはわずかに届かないが、それでも公明党と合わせて140議席に達する数字だ。
「憲法改正」の発議要件である全242議席の3分の2、つまり162議席までは残り20議席強。かねて憲法改正に賛意を示しているおおさか維新の会を合わせると、150議席を超えるのはそう難しくない。
残り10議席をどうするか—前出の自民党幹部議員によれば、「策はある」という。
「むしろ、『与党+維新だけでは3分の2に少し足りない』くらいの結果がちょうどいい。民進党内部にも、憲法改正に賛成している議員が少なくないことは周知の事実です。『憲法改正の是非』を軸に論戦を挑めば、ただでさえバラバラな民進党は容易く割れるでしょう」
世間では、「与党が参院で3分の2を取るなんて、到底ムリだ」という見方が今は大勢だ。しかし、そもそも「3分の2の賛成が得られればいい」のである。賛成する議員が与党か野党かは、憲法改正の実現には関係がないということを、多くの国民が忘れている。
「秋には最大10兆円の超大型補正予算も組まれる予定です。しかも9月の臨時国会で、安倍総理は消費税増税見送り法案とともに憲法改正を提起する可能性がある。そうなれば、『憲法改正の是非について、国民に信を問う』として解散総選挙に踏み切る。安倍総理にとって、圧勝が見込める2回目の『年末解散』です」(前出・自民党幹部議員)
増税延期によって、安倍総理を縛る枷は外れた。政権と野党の、真の「勝負の時」が来るのは、まだこれからだ。
(*Yahoo!など配信先でご覧の方は、こちらで一覧リストを見られます。http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48874)
