任天堂の「大儲け」はこれから

では、こうして得られることになる莫大な利益はだれの懐に入るのか。
「今期の課金売上高を1000億~1300億円と仮定すれば、まずその3割はグーグルとアップルに決済手数料として入ります。残りをポケモンGOを開発した米ナイアンティックと株式会社ポケモンの2社で分け合う。
任天堂はポケモンの利益のうち出資分の32%を収益計上する形で、それは金額にして今期60億~80億円ほどになる」
楽天証券経済研究所の今中能夫アナリストはそう試算した上で、「任天堂は別途、関連商品でも儲けられる」と言う。
「任天堂はすでに『ポケモンGOプラス』という機器を発売予定。今後ユーザー数が2億人に膨れ上がり、そのうち2割が購入すれば、約200億円の営業利益になる」
今期の年間予想利益が450億円なので、その半分を稼ぎ出すほどの巨額だ。ITジャーナリストの本田雅一氏も言う。
「任天堂はポケモンをミッキーマウスのようにして、ディズニー型ビジネスも展開できます。ポケモンが世界中で認知されたことで、今後はポケモンのテーマパーク、ホテル運営、映画事業など、億単位のビジネスを次々に展開できるわけです」
ちなみに、ポケモンGOのユーザーは街を歩き回るので、「周辺消費」も盛り上がる。
「ゲームを長時間やるためにスマホの携帯用バッテリーを買い、外を歩き回るためスニーカーを新調し、ゲーム途中でレストランに入って外食をする。ポケモンGOのために外出する人が500万人いて、彼らが一日2000円を出費すれば、一日100億円の経済効果になる」(前出・三上氏)