2016.08.27
# 週刊現代

【独占】小泉純一郎大いに語る「自民党は、どうかしている」「日本人よ、目を覚ませ!」

このままでいいわけがない
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読売新聞に広告を断られた

当然ながら、東電は「原発事故と体調不良に因果関係があるとは断定できない」と賠償を拒否しています。アメリカの裁判は日本と違って、原告も被告も徹底的に情報開示をしないといけませんから、「トモダチ作戦」に加わった兵士の本当の被曝線量など、表に出したくない情報が出てきてしまう。それだけは何としても避けたいのでしょう。

日本政府も沈黙しています。実は訪米前に、外務省の北米局長に会ってこの話をしたのですが、「政府として法的には何もできない」と言っていました。

基金を設立したときも一悶着ありました。信頼できる知人に「発起人になってくれないか」と頼んで回ったんですが、なかなか受けてくれない。ある財界人は「私の一存では決められない。会社に相談してみる」と持ち帰ってはくれたけど、結局NG。だから、もう少数精鋭でやろうと思ったんです。

新聞広告も、東京新聞だけでなく読売新聞にも申請していたんです。ところが読売は「裁判で係争中の事案は掲載できない」と断ってきた。理解できませんよ。だって、現に健康被害を受けている人、病に苦しんでいる人がいるわけだから。裁判でどっちが勝とうが負けようが、困っている人たちを助けなければいけないことに変わりはないでしょう。

つまり、日本でもアメリカでも、いまだに原子力ムラは強大な勢力を保っている、それどころか息を吹き返しつつあるということです。被曝した兵士がいることなんてほとんど報道されないし、支援基金に協力してくれる財界人は皆無に等しい。最終的に発起人は、'14年に一緒に脱原発を訴えて都知事選を戦った細川護煕元総理と、大野剛義(元さくら総合研究所社長)さん、吉原毅(城南信用金庫相談役)さん、そして私の4人でやることになりました。

でも、男気にあふれる申し出もありました。基金設立を知った建築家の安藤忠雄さんが、「これは日本人として絶対に見過ごせない問題だ」と、8月18日に、大阪で大規模な講演会を開いてくれることになったのです。安藤さんは「会費1万円で1000人集めて、収益は基金に全て寄付するから、小泉さんが講演してくれないか」と言うから、「喜んで行きます」と快諾しましたよ。

実は安藤さんとは、総理をやっていた時からの付き合いでね。安藤さんは当時、産業廃棄物が不法投棄されていた瀬戸内海の豊島に美術館を作り、一大観光地に変えた。それを総理時代に見に行って、「大したもんだ」と思ったんです。いま安藤さんはガンを患っていて大変なのに、意気に感じて立ち上がってくれたんですね。

進次郎は協力してくれないのかって?あいつはあいつで忙しいみたいですからね。この前も「地元(横須賀)の人が用意してくれたから、行かなきゃ」って、祭りのハッピを着て急いで出て行きましたよ。進次郎は、そうやって普段から地元を回っているから(選挙に)強いんだ。一度当選してしまうと、地元をまめに回らなくなるのが普通の国会議員なんだけど、進次郎は違うんです。だって、あいつは選挙のときはヨソの議員の応援に行かないといけないから(笑)。

トモダチ作戦の基金のことは、まだちゃんと話してはいないけど、私の本(原発や基金について語り下ろした『黙って寝てはいられない』、扶桑社刊)は読んでいますよ。どう思うかは本人次第。進次郎は進次郎だから。

それにしてもこの前、基金創設を発表するために細川さんと一緒に記者会見を開いたら、やって来た記者はほとんど都知事選、小池(百合子)さんの質問ばかりでしたね。原発の話題で、こんなにたくさん記者が集まるのか、とぬか喜びしちゃったよ。「小泉さんは都知事選に出馬しないんですか」という質問まで出た。冗談じゃないよ(笑)。

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