やはり豊洲に移転すべき
先々週(9月5日)の本コラム「築地市場は一刻も早く移転せよ! 都民のことを思うなら答えは一つだ」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49645)で、サンク・コスト論から「豊洲新市場に早期に移転すべき」と書いた。
そのロジックは次のとおりだ。
「今の時点で豊洲市場はほぼ完成形なので、仮に追加対応するためにコストは少ない。その一方、その便益は、対処が可能であれば、4000億円程度と大きいことは間違いない。これを平たく言えば、豊洲が欠陥で使い物にならないのでない限り、今の築地に比べると安全・衛生的なので、移転中止せずに早く移転したほうがいい」
ところが、先々週の本コラムの後に、一部で盛り土をしていなかったことが発覚し、マスコミで大きな話題になった。9月10日、小池都知事の緊急記者会見である。これには、豊洲移転の推進派からも懸念が出てきた。
先週のテレビ各局は豊洲盛り土問題を連日報道した。今までの説明と違うだろ、という話だ。そこで、現代ビジネス編集部からも、新たな問題の発覚をうけて、あらためて筆者の見解をうかがいたいと連絡があった。
結論をいえば、基本は移転すべきで変更なしだ。技術的・経済的な観点からはやはりすぐに移転を決断すべきである。ただし、話がかなりこじれたので、政治的には説得の時間が必要になる。移転にはちょっと時間を要するだろう。