もはや自力再建の能力なし!欠陥エアバッグ「タカタ」の呆れた決算会見
最高責任者が欠席だなんて…7年半の歳月が経ったにもかかわらず
欠陥エアバッグ問題が引き金で破たん寸前のタカタのCFO(最高財務責任者)が、先週金曜日(11月4日)の中間決算発表の席で、同社や100%米子会社の再建策を問われて「コメントする立場にない」と発言し、計らずも同社に経営再建の当事者能力がないことを浮き彫りにした。
欠陥エアバッグが原因で最初に死亡事故が起きたのは2009年5月のこと。米オクラホマ州で、衝突事故の際にインフレーター(ガス発生装置)が異常爆発し、飛散した金属片が、当時18歳の女性の頸(=けい)動脈を切断し、彼女の命を奪った。
さらに、今月2日付のロイター通信によると、米国を中心に死者が少なくとも16人、負傷者が150人以上に達しているという。最初の悲劇から7年半の歳月が経ったにもかかわらず、必要な対策が未だに講じられていないことは信じ難い事実である。
業を煮やした日米の交通当局は今年5月、合計で最大4700万台に達するタカタ製エアバックの追加リコールを自動車メーカーに指示した。
だが、メーカーでは今なお交換部品の確保などに窮しているうえ、車検のない米国では対象車の所有者と連絡をとることも容易でなく、米当局がリミットとした2019年末までにリコールを完遂することができるかどうか予断を許さない情勢だ。
ところが、肝心のタカタの経営は今年度末(来年3月末)の決算を乗り越えることさえ覚束ない。自動車メーカー各社が巨額のリコール費用を立て替えており、タカタに支払いを請求した途端、同社は債務超過に陥るリスクがあるのだ。
これ以上の悲劇を抑えるために何が必要なのか探ってみたい。