滑稽な「レッテル貼り」
11月25日午前の衆議院厚生労働委員会において、年金改革関連法案について筆者は参考人として意見陳述した。同法案は同日午後の同委員会で、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決された。
これを「強行採決」と報じるマスコミは困ったものだ。
また、反対する民進党議員らが委員長席に殺到し、彼らはカメラマン席に向かって「年金カット 反対!」などと書かれたボードを掲げていたが、まったく滑稽な光景である。

そもそも、「強行採決」とはマスコミ用語で、少数派が審議を希望しても多数派が審議が尽きたということで採決することをいう。なかなか英訳しにくい言葉であるが、それは欧米では議会の手続きに従っているかぎり、「強行」とはいわないからだ。つまり、議会手続きに瑕疵(かし)がなければ、議会政治の基本としての多数決による普通の採決であるのだ。
また、民進党などは「年金カット法案」というレッテルを貼るが、はたしてどうか。
法案の中身は、年金額改定ルールの見直し、短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の組織の見直しなどである。
そこで、筆者が国会で行った意見陳述の骨子を紹介しよう。これはあくまで筆者のメモなので、実際に国会で話したことと異なる点もあるが、趣旨は変わっていない。