15人の兵士が女性を輪姦…日本人だけが知らない南スーダンの惨状

米調査機関・アフリカ専門家が明かす
山田 敏弘 プロフィール

なぜ楽観的でいられるのか

南スーダンでPKO活動に参加しているのは50カ国以上にもなり、これまでに何人もの国連治安部隊員が殺害されている。冒頭のホテル事件が起きた2016年7月の武力衝突の際には、ドイツ、イギリス、スウェーデン、ヨルダンが安全を確保するために派遣していた文民警察の一部を撤退させた。またケニア政府も11月に同国部隊の撤収を命じている。

そんな状況にある南スーダンへ派遣される自衛隊だが、ファム氏は日本政府の対応をどう見ているのか。

「この絶望的な国に自衛隊が存在するということは、通常の国際的な人道支援としてだけでなく、アフリカにおける日本の外交政策にとっても重要な貢献となるでしょう。というのも、日本はアフリカで、利己的ではない取引に直接的にはつながっていない長期的な開発援助で優れた歴史がありますから。

UNMISSは民間人、特に援助活動に従事する人たちを守り、人道的な支援の流れを円滑に進める手助けをするという非常に重要な使命を負っている。人道的援助がなければ、南スーダンでは何百万人という市民が飢えに苦しむことになるのです」

 

国際貢献への姿勢そのものをこう評価する一方で、こんな現実を指摘する。

「先ほど申し上げた通り、最悪のシナリオを想定しなくてはなりません。『防衛的』なものとはいえ、自衛隊が武器を使わなければいけなくなる可能性は十分にあります」

【PHOTO】gettyimages

日本の選択が誤りだったのかどうかはまだ分からないが、少なくともその現状について国民はしっかりと知らされるべきだったのではないだろうか。「ジュバ市内は比較的安定している」なんていう大臣の認識が楽観的すぎることだけは、間違いない。

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