2017.02.07
# 企業・経営

銀行・生保・商社・自動車…これから始まる一流企業「大合併」

人口減少社会で生き残るために
週刊現代 プロフィール

「自前主義」では死ぬ

「不確実性」の時代と言われる中では、もうなにが起きても不思議ではない。日本経済を牽引してきた自動車業界にあっても、変化への対応を迫られる気配が濃厚になってきた。経済ジャーナリストの塚本潔氏が言う。

「これまで世界の自動車業界は、トヨタ、フォルクスワーゲンなどの『1000万台クラブ』を中心に勢力図が形成されてきましたが、今後は大きく変わる可能性があります。

今後の自動車業界の『覇権』を決定づけるのは販売台数ではなく、自動運転化、AI(人工知能)化などが進む中、自動車を動かすソフトウェアを誰が制するかがポイントになるからです。

端的に言えば、自動車産業は、かつて携帯電話がスマホ化したのと似た状況になる。

ソニー、富士通などが端末メーカーとして活躍していたのが、携帯がスマホ化した途端、スマホを動かす基盤のソフトウェアを押さえた米アップルとグーグルが完全に市場を制覇した。その流れに乗り遅れた日本勢は一気にシェアを失い、撤退を余儀なくされた」

自動車業界でそのソフトウェア開発で一歩リードするのが米グーグル。そのグーグルと手を組んでいるのがホンダで、「スマホ業界でサムスンがグーグルと先んじて手を組んで躍進したように、ここからはホンダが『サムスン化』して急激にシェアを拡大する可能性がある」(前出・塚本氏)。

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一方、トヨタはソフトウェア開発で自前主義を貫いているが、躍進するホンダに後れを取れば路線を変える可能性もある。

「ここからの技術変革に自前主義だけで対応しようとすれば、ライバルたちに先を越されるリスクが高まる。日本勢の課題は、いかに世界標準のソフトウェアを作れるかにかかっている。

実はホンダはソフトバンクグループとも共同研究をしているので、トヨタもここに合流して、トヨタ・ホンダ・ソフトバンクの日本連合ができる可能性も十分に考えられます」(桜美林大学教授の土屋勉男氏)

あなたの会社があなたの会社でなくなる日は、そう遠くない。でもそれは、みんなで生き残るためには仕方のないことなのだ。「ひとつ」にならないことがリスクになる時代に、われわれはいま直面している――。

「週刊現代」2017年2月11日号より

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