2017.02.18
# ライフ

不況になると「人妻風俗」が流行るワケ〜男たちは癒しを求めている

【ルポ】人妻・熟女の裏歴史
本橋 信宏 プロフィール

独身でもあえて人妻と偽る

人妻と風俗の敷居が低くなったのも、人妻風俗の興隆に一役買った。

派手なネオンサインの風俗店に勤務するのではなく、雑居ビルのオフィスに待機して、客が待つラブホテルに直行する。私服のままで人目につかない気安さと、その日にギャラがもらえることから、風俗産業は人妻たちの新たな職場となった。

長引く不況のせいで夫の稼ぎが減りつづけ、収入増が見込めないとなると、女房たちは家計を補填するために風俗に飛び込む。人妻の中には若いころ援交をしてきた層も存在し、風俗勤めのハードルは低い。

若いうちにシャネル、グッチといったブランド品を手に入れたことがあると、結婚してからもブランド品から遠のくことはあり得ない。身の回りにユニクロがあふれても、ヴィトンやグッチ、エルメスのひとつやふたつは身につけていたい。

現金収入の得られる風俗は、既婚者になってからもブランド購入の強い味方だ。 

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風俗業界では20代後半になると、独身でもあえて人妻と身分を偽ることがよくある。人妻と名乗っただけで指名本数が3倍増になるからだ。

また20代後半なら30代に、30代後半なら40代に、実年齢よりも歳を上にごまかす、逆サバが風俗業界やAVにもよく見られる。そのほうが人気が出るからだ。

 

風俗で働く奥さんたちの質も飛躍的に向上した。

36年前、私が味わったあの悲劇はいまは昔のことだ。

ところであの女装力士女はいま、どこで何をしているのだろう。

後期高齢者になって孫に囲まれ幸せに暮らしているのだろうか。それとも——。

人生、死んでしまいたいときには下を見ろ! おれがいる。前科7犯。借金50億。米国司法当局から懲役370年求刑。奇跡の男か、稀代の大ボラ吹きか。“AVの帝王"と呼ばれた裸の男の半生(ノンフィクション)。
本橋信宏(もとはし・のぶひろ)ノンフィクション作家。 1956年所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法で壮大な庶民史を描くことをライフワークとしている。近著に『上野アンダーグラウンド』(駒草出版)『全裸監督 村西とおる伝』(太田出版)等。

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