2017.05.16
東電提案「事故処理プラン」が相変わらず夢物語のオンパレードすぎる
いつまで現実から目を背けるのか嘘に嘘を塗り重ねる
このままでは、福島第一原発事故は、事故の深刻さよりも、事故処理の拙さで歴史に記録されることになるだろう。
政府と国営・東京電力は二人三脚で、また事故の処理費用を過少に見積ったうえで、その大半を東京電力の稼ぎで賄えるかのように脚色して、事態の深刻さを覆い隠す挙に出た。
先週木曜日(5月11日)、東電が政府に申請した新々・総合特別事業計画がそれで、事故処理費用として「50兆~70兆円は必要」という民間シンクタンクの試算を無視して、経済産業省の22兆円で充足できるという前提に立ち、うち16兆円を東電の稼ぎと東電の再上場を前提にした政府保有株の売り出しで賄うというのである。
具体策も、国策支援を受けている国営東電が民間企業との市場競争力を強化するとか、他企業と資本・業務提携関係を築くとか、再稼働のメドが立たない原発を稼働させるといった夢物語のオンパレードだ。
計画は全国の電気料金をこれまでより押し上げるだろうが、遠からず破たんして、もう一段の国民負担を強いることが確実な内容である。
福島原発事故から6年以上が経っても、官邸が責任逃れと失敗隠しをやめない経済産業省を中心にした虚構の事故処理計画を容認し続けることは、政府のガバナンス不在を裏付けるもので、国民の信認を揺るがしかねない深刻な問題だ。
