2017.05.30
# ライフ

年間4万円も得をする、こんな簡単な省エネ術があった

え、窓を換えるだけで本当に…?
加谷 珪一 プロフィール

窓を換えるだけ

断熱と聞くと、多くの人は家全体の構造に関係するものなので、建て替えたり、転居したりしなければ問題は解決しないと思っているかもしれない。

もちろん家全体が断熱構造になれば理想的だが、実はある部分にちょっと手を加えるだけで家の断熱性能は劇的に改善する。それは「窓」である。

先ほど、日本の家の断熱性能は低いと述べたが、窓にいたっては尋常ではなく低いレベルの断熱能力しかない。窓の断熱性能を示す数値にU値というものがある。U値は温度差1℃に対し1時間に1㎡あたりで通過する熱量を示す指標で、この数字が小さいほうが断熱性能が高い。

アルミ製のサッシに単板ガラスを使った一般的な窓のU値は5~6(W/㎡K)といわれている。例えばマンションのリビングに1800mm×2000mmの引き違い窓が2セットあり、外気温との差が15℃と仮定すると、逃げていく熱量はおよそ650Wにもなる。何もしなくてもヒーター1台分の熱が窓からただ失われていく計算だ。

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この部屋を暖めたり涼しくしたりするためには、この失われた熱量にプラスする形で、本当に必要となる熱量を加えなければならない。これはどう考えてもエネルギーの無駄使いである。乱暴に言ってしまえば、断熱性能のない窓で生活するということは、窓を開け放しで生活していることと大して変わらないのだ。

建物全体の断熱は難しいが、窓だけであれば高断熱のサッシに交換することで、断熱性能を飛躍的に向上できる。

マンションなど集合住宅は、規約の問題でサッシを交換できないケースも多いが、たいていの場合、内窓の設置が可能だ。比較的断熱性の高いサッシの場合、先ほどのU値は3程度と半分になる。これを単純に電気料金に換算すると年間で4万円も違う計算だ。

この金額は、無駄に捨てたエネルギー量を単純に電気料金に換算した数字なので、現実に節約できる金額とは異なるが、筆者の知人は60㎡ほどのマンションで年間3万円程度の冷暖房費節約に成功している。

欧州などでは家に関する規制が厳しいため、U値はさらに小さく1程度が標準的である。日本はせっかく省エネ大国といわれているのに、こうした部分に無頓着なのは非常に残念なことである。

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