東芝の最高幹部が全部明かした「いま、社内で起きていること」

上場廃止は刻一刻と近づいている?
週刊現代 プロフィール

敵に回したくない男

海外報道などによれば、ミリガン氏は米国中西部の生まれで、オハイオ州立大学で会計学を専攻。卒業後は会計事務所のプライスウォーターハウスに就職した。

「ビジネスマンとしては、中西部生まれらしく、固い握手をして、まっすぐに人の目を見て話すタイプ。IT産業の人々や市場ウォッチャーたちの間では有名人で、ファクトに基づいた判断ができ、統率力があると言われています。

プライスウォーターハウスでIBMの会計監査を務めた時にコンピューター関連のビジネスについて学び、その後はデルに転職。

さらに、'02年にWDに移籍して、ファイナンス部門の部長に就任したかと思ったら、そこから瞬く間に頭角を現してCFO(最高財務責任者)となりました」(在米ジャーナリストの飯塚真紀子氏)

ウエスタンデジタルPhoto by GettyImages

まさにアメリカンエリートの「本流」を歩いてきたような人物だが、その真骨頂が発揮されたエピソードがある。

それは'00年代後半。WDに新たなCEOが就任した時のことである。ミリガン氏は、そのCEOのもとではこれ以上抜擢されることはないと察知した。

「そのとき、ミリガン氏は同社にとどまっていてもキャリアが開けないと見て、日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)に移ったのです。

当時、HGSTの業績は悪かったが、ミリガン氏はCFOとして乗り込むとすぐに構造改革に着手。長時間働き、出張を重ね、家族に費やす時間を犠牲にしながら全精力をこの会社に注いだことで、2~3年で会社を見事に再生させた。

ここからがすごくて、ミリガン氏はこの会社を古巣であるWDに買収させるんです。それでミリガン氏はWDに復帰し、勢いそのままにCEOまで駆け昇っていった。みずから古巣トップに返り咲く『大逆転劇』を演じて見せたのです」(前出・飯塚氏)

 

まさに「最も敵に回したくない男」である。

そんなミリガン氏は目下、前述したように東芝に対して契約違反だとの批判を公然とぶち上げたり、法廷闘争に持ち込むなど、次々に策を講じている。

一方、綱川社長ら東芝経営陣は、「契約違反ではない」「予定通り入札を行っていく」とWDの主張を相手にしない素振りを装っているが、そんなに冷静ではいられないのが内情である。

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