生産性は量から質の時代へ

さらに業務効率改善と「生産性アップ」は違いますよね?「生産性アップ」は稼げる商品やサービスを創出しないと実現しません。質のいいイノベーションが起きなければいけません。それが起きるのは、どういう現場なのか?

それは「心理的な安心感の高い場所」であることがGoogleの論文で指摘されています。Googleはすでに柔軟な働き方のできる職場ですが、それでも生産性の高いチームと低いチームがあります。その原因を徹底的に突き詰めてみたら、「Psychological Safety(心理的な安心感)」というキーワードに行き着いたのです。

参照)“グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ”

結果、「チームのリーダーが進行性の癌にかかっていることを告白、共有したチーム」が実はもっとも生産性の高いチームでした。

google提供

働き方改革に着手して一年半のあるコンサルティング会社は、それまで不夜城だった職場を、「1日ひとり1時間程度」の残業で成果をだし続けるような職場に変えました。その会社の社長は「体育会系のマッチョな職場だったが、社員が優しくなった。クリスマスパーティで社員から感謝のメールを募集したら千通も来た。以前なら考えられなかった」というエピソードを語ってくれました。

これは意外なことではありません。働き方改革によって「心理的な安心感」が担保されたのです。ひと言でいうと、「働きやすい」職場になったのです。

トップからボトムまで、制度から風土までにかかわる改革を丁寧にやる。必要なIT投資も惜しまない。そうすると、1年半から2年ぐらいで「ギスギスマッチョ長時間職場」が「ワクワク安心職場」に変わっていきます。

労働時間に着目した改革に成功した会社は、社員の雰囲気が明るいです。某情報通信サービスの幹部は「過去24年間で今が一番働きやすい」と言っていました。会社の働きやすさは、「離職率の低下」や「ワーキングマザーや介護の人が働きやすい」というところに、わかりやすく表れます。

社員同士が「○時に帰ろう」という目的のもと、業務を共有し、「じゃあ、そこはやっておきますよ」などと言い合うGIVE&TAKEの関係も生まれます。え、信じられない? 時短を強いられると逆にギスギスするって? それは、間違った働き方改革だからです。

働き方改革は一日にしてならず。時間をかけて取り組まないといけません。今は混乱期ですが、ここで経営者が覚悟を決めないと、見せかけの「働き方改革」ではマイナスをもたらすだけでしょう。