「おもしろい会社」が伸びる時代

では、「生産性=量=時間」ではなく「生産性=質」の時代に入ってくると、何が変わるのでしょうか?

量の作業は今後、AIや自動化ツールがやってくれます。人間が良質のイノベーションを創出するには、ダイバーシティインクルージョンが不可欠です。多様なメンバーが尊重しあい、一緒に考え、意見を忌憚なく言える「心理的な安心感」があるチームにこそ良質なイノベーションが起きるのです。

経営者の役割とはまさに、そのような「関係の質が高い職場」を作り上げることではないでしょうか?

ボルチモアのアンダーアーマーというスポーツブランドは、今、全米で注目される伸びている会社で、その会社を見学した人によれば、「上司と部下がサンドバッグを叩きながら、テニスをしながら、ディスカッションしていた」といいます。

いったいなぜそんなことをするのかと聞くと、“Stay Flesh”と言われたそうです。会議室で顔を突き合わせても、魅力的なアイデアはでてこない。だからこその工夫なのです。

今、そんなおもしろい、魅力的な会社が伸びています。

働き方改革の真の果実とは、社員にとって魅力的な会社になること。社員はワークライフバランスを保ちつつ、おもしろく、自律的に仕事ができ、自己研鑽の時間もあり、それが会社にとっての成果にもつながるのです。

先日も中小企業の人が「内定辞退率7割」を嘆いていました。魅力的ではない企業にはもう人は来ない。また離職した分も埋まりません。職場でストレスを感じることの1位は人間関係だそうです。実はこの「人間関係がもたらす損失」をきちんと計算したら、大変な額になるのでは?

「仕事=楽しいこと」「仕事=自律」にマインドセットしていくこと、「マッチョギスギス職場」を安心安全な労働環境の「ワクワク安心職場」に変えて行くこと。これこそが、会社にとっても個人にとっても、双方に良い結果をもたらす働き方改革で、それは会社にとっても美味しい……やっとそんな時代になったのだと思います。

参考)
https://www.salesforce.com/jp/blog/2016/06/success-theory.html
産業医が見る過労自殺企業の内側』 (集英社新書)