【徹底調査】人口減少ニッポン・あの大企業はどうやって生き残るか

トヨタ、金融、サントリー…それぞれの対策
週刊現代 プロフィール

限られたパイをどこが取るか――。

縮む市場を奪い合う競争が激化しているのは、小売業界も同じである。

これからの日本では人口減少とともに高齢化が進み、2025年にも3人に1人が65歳以上という「超高齢社会」に突入する。若者の旺盛な消費が期待できない中、小売業界ではスーパー、コンビニの「仁義なき戦い」が勃発している。

「これまでの人口増加社会では、巨大スーパーが駅前にあり、銀座などの都心部には巨大百貨店があった。家族は子ども連れで休日に百貨店で買い物を楽しみ、主婦がスーパーに買い物に出たが、人口減少と高齢社会の到来でこの構図が大きく崩れている。

シニア層の買い物は徒歩15分圏内なので、まず百貨店から客が消えて、車で行くイオンなどの大型スーパーも厳しくなってきた。

そこに、コンビニが生鮮食品や冷凍食品の取り扱いを増やすなど『ミニ・スーパー化』を進め、スーパーの需要を喰っている。

スーパーは宅配などに力を入れて対抗しているが、セブン-イレブンやローソン、ファミリーマートのコンビニ3強は商品力で圧倒して、スーパーは突き離されている」(流通アナリストでプリモリサーチジャパン代表の鈴木孝之氏)

イオンPhoto by GettyImages

そんなコンビニ戦争では、ローソンが親会社の三菱商事、ファミリーマートが伊藤忠商事との連携を強化しており、さながら「大手商社の代理戦争」とも化してきた。

しかし、「勝ち組」のコンビニも安泰ではなく、ここへきて新たなライバルとしてドラッグストアが参戦してきた。

「いま最も勢いに乗って、攻めまくっているのがドラッグストアです。彼らは調剤で粗利を取れる分、食品や菓子などはコンビニではできない破格の安値で売り出すことができる強みを存分に生かす戦略。

飲料、菓子などの安売り特価商品を店頭などに並べて集客したうえ、冷凍食品なども取り扱う『コンビニ化』を進め、一気にコンビニから客を奪おうとしている。

特に地方は攻勢で、宮崎県発のコスモス薬品や石川県発のクスリのアオキは、年間数十店から100店舗のペースで急拡大する見込み。

業界大手にはイオン系のウエルシアHD、マツモトキヨシHDなどがいますが、今後はさらなる業界再編で巨大化していく。コンビニ3社には大きな脅威になる」(前出・鈴木氏)

 

建設業界の大問題

干上がった砂漠のオアシスさながら、人口減少時代には需要のあるマーケットに、業界の垣根を越えてあらゆる企業が群がる。業界内でパイを仲良くわけあう「馴れ合い」で生き残れる時代ではない。

「鉄道業界でも、JR九州が『越境』して東京の新橋にホテルを開業する方針を示すなど、従来の縄張りを越えたビジネス展開が加速しています。

JR西日本も三菱重工業の不動産事業を買収して東京に進出し、近畿日本鉄道は博多に進出する動きを見せている。東急電鉄はアジアの住宅開発に進出し、ハウスメーカーの牙城を崩そうとしている。

これからはあらゆる業界で、マーケットを『越境』する流れが止まらなくなる」(ビジネスリサーチ・ジャパン代表の鎌田正文氏)

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