「韓国の小室哲哉」がプロデュース
フックのある曲、キレのいいダンスとはギャップがあるユルユルなトーク、加えて日本人メンバーがかもし出す親近感。だが、それだけでは群雄割拠の芸能界で頭一つ抜けることは難しい。
TWICE人気の背景を語るとき、忘れてはならないのが、所属事務所JYPエンターテインメントの創業者であり音楽プロデューサー、「韓国の小室哲哉」とも呼ばれるパク・ジニョンの存在だ。
TWICEは、実力派ソロシンガーRain(ピ)や日本でも人気を博したボーイズグループ2PMなどを手がけた韓国屈指の名プロデューサーであるパク・ジニョンが仕掛けたサバイバルオーディション番組『SIXTEEN』から誕生したのだ。
『SIXTEEN』は、韓国のケーブルテレビMnetとインターネットのNaverTVで2015年5月から7月まで放送された。JYPエンターテインメントの練習生16名に、7つのミッションを課し、ふるいにかけて脱落者を出す。

能力に応じてメジャーとマイナーにグループ分けし、メジャーグループには芸能人レベルの待遇(レッスンは午前9時~午後9時、食事はフルーツや肉をたっぷり)、マイナーには練習生レベルでの待遇(レッスンは午後9時~午前9時、食事は生の白菜のみの時も)を与えるという天国と地獄。
韓国ではBIGBANGや2PMなどサバイバル形式の番組を通じてデビューしたボーイズグループは多々あるが、ガールズグループでは異例のこと。放送当時、10代を中心とした女の子たちの過酷なバトルを全面公開するサバイバル番組には「残酷すぎる」と批判の声が上がる一方、大きな注目が集まった。
「JYPの事務所のカラーはそのままに、一歩進んだガールズグループを作る。選考基準は他の事務所とはだいぶ異なる」というパク・ジニョン。デビューまでの競争倍率は1000倍。バトル開始直前、パク・ジニョンは緊張で笑顔がこわばる16人に対し、「欲しい人材」についてこう明かした。
「スターに必要なのは、歌とダンスだけじゃない。実力よりも人格を重要視する」
実は、この『SIXTEEN』を私は10時間イッキ見してしまった。面白くて、止まらない。単にアイドル養成という意味だけでなく、自らに重ねてハッとさせられる要素がちりばめられていたからだ。