あまりに残念な地銀の実態〜金融庁「異例の警告」の真意に迫る

もうダメ経営陣が淘汰されるべきでは…
多胡 秀人 プロフィール

「再編淘汰」は目的ではない

「リレーションシップバンキングは、近江商人の『三方よし』ですね」

十数年前に大阪で開かれた地域密着型金融のシンポジウムで登壇した際、ご一緒したパネリストの方からこのように言われたのを思い出す。

 

「売り手よし、買い手よし、世間よし」を、筆者は当時以下のように整理した。

買い手→ 金融商品サービスを受ける顧客 (融資先の法人/個人、預金者)
売り手→ 金融商品サービスを提供する地域金融機関 (従業員、株主)
世間→ 地域経済・地域社会

メガバンクのビジネスモデルは「世間よし」にはなりえない。とはいえ、せっかく地域にあっても、自己中心の銀行は「世間よし」を考えていない。そういう銀行には顧客本位の観点がないから、「買い手よし」でもない。

顧客本位のビジネスモデル、すなわちリレーションシップバンキングを実現できる地域銀行だけが「三方よし」であることは言うまでもない。

3年目に入った森金融庁の地域金融改革の真髄は、地域金融機関の「再編淘汰」ではなく、地域金融機関の「ガバナンス」である。いかなる地域金融機関も役割を終えたわけではない。淘汰されるべきはダメ地域銀行ではなく、ダメ経営陣なのである。

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