2017年上半期のIPOマーケットを総括して見えてきたこと

バリエーションは3年ぶり上昇も…
田中 博文 プロフィール

申請期売上高は二極化

申請期の売上高見込みですが、昨年上期と大きく変わっていません。一昨年上期までは売上高50億円未満が全体の半数以上という状況が続いていたのですが、昨年上期から10億円台と60億円~100億円の2つの山が出来ました。今年は10億円~20億円が8社と、60億円~100億円が11社から6社に半減した代わりに、100億円~500億円が8社から10社と若干大型に振れつつあります。

今年上期で売上が最も小さかったのは、悪性腫瘍に係る医薬品・医療機器の開発・販売を手掛けるソレイジア・ファーマが4億2300万円、最も大きかったのは、家庭日用品、インテリア用品、住宅設備機器等の総合小売業及び住宅リフォーム等の事業のLIXILビバが1,836億円でした。

 

一方で経常利益ですが、昨年上期は赤字はありませんでしたが、今年はソレイジア・ファーマが経常赤字17億8700万円であり、また経常利益1億円未満も2社ありました。また経常利益3億円までが20社あり、全体の半数以上となっています。これは2億円~3億円のレンジが3社から10社に大きく増えたことによるものです。昨年上期に比べ利益のレンジは広がり小粒化しているといえます。

参考までに経常利益が一番大きかったのは、LIXILビバの106億円でした。

予想PER平均は昨年上期の16倍から18.6倍へ

次に公開価格(※初値ではない)による予想PERですが、これは昨年上期と比較して、若干上振れの感じが見受けられます。10倍未満の数が昨年上期の11社から8社と減り、20倍~30倍が4社から7社、50倍以上の先が1社となりました。その結果として、平均の予想PERは一昨年上期21倍、昨年上期が16倍、今年は18.6倍と戻し、3年振りの上昇となりました。

参考までに、赤字のソレイジア・ファーマを除き、一番低かった予想PERは住宅リフォーム事業の安江工務店の6.0倍、一番高かったのはCGS事業のうるるで、62.9倍でした。

これには昨年上期の日経平均が1万5000円台から1万7000円台だったのに対し、今年は1万9000円台が中心で、直近では2万円を超しており、株式市場全体が堅調であったことも影響していると思われます。

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