気をつけろ!「真夏のダイエット」が死を招く

脳梗塞や寝たきりにつながることも…
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夏こそカレーを食べよう

おまけに、穀類の過剰な摂取はビタミンB群の吸収を阻害する恐れがある。一見健康的な食生活に思えるが、実際は深刻な栄養不足に身体を追い込んでしまうのがヴィーガンだ。

前出・成田氏は動物性食品を徹底的に排除するこの食事法について次のように語る。

「動物性食品にはカルシウムやミネラル、亜鉛など身体に不可欠な要素が多く含まれています。完全菜食を続けると、ビタミンB12が不足し、巨赤芽球性貧血や末梢神経障害などの原因になります。

また、動物性食品に含まれているビタミンやミネラルは消化吸収しやすいものが多いため、栄養を効率的に摂取できますが、植物性食品だけでは栄養を十分に摂ることが難しく、体に不調が現れ、初めて栄養不足に気がつく事があります」

 

前出・佐々木氏は、「特に高齢者は菜食主義を避けるべき」と語る。

「菜食は繊維質が多く、消化吸収機能が低下した高齢者の胃腸には負担が大きい。また、菜食の栄養素は糖質が中心で、たんぱく質や脂質など、身体を作るのに必要な栄養素が相対的に不足してしまう危険があるので、特に夏場は注意が必要です」

これまでに挙げたいずれのダイエット法も、炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素のいずれかを極端に制限するもの。ダイエットをすれば体重は落ちるかもしれないが、本来取らなければならない栄養バランスを無理に崩すことになる。

前出・丁氏は「夏こそバランスを考えた食事を」と語る。

「冬は鍋料理などで肉から野菜までバランスよく食事できる機会がありますが、夏はどうしてもそうめんとか、喉の通りがいいものばかりを食べてしまいがちです。

また、ビールはもちろん、健康にいいと謳う野菜ジュースにも糖質が多く含まれ、しかも冷たいので代謝を落とす原因になってしまいます。

栄養が不足する夏こそ、ビタミンB群が含まれる献立を考えましょう。B群が取れているということは他の栄養素も摂取できている証拠です。野菜と肉がたくさん入ったカレーがちょうどいいバランス食品ではないでしょうか」

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前出・佐々木氏は日本人の「隠れ低栄養」化が進んでいると警鐘を鳴らしている。

「肥満気味の人が食事だけ制限しても、ただ栄養状態が悪化し、筋力が落ちる。結果として運動量の低下を招くだけです。身体の本当の健康を考えれば、太っていることを気にしすぎないほうがいいのです」

食生活を正すことはむろん健康への近道だが、酷暑の夏中に、やりすぎるとかえってよくないことを肝に銘じておこう。

「週刊現代」2017年8月19日・26日合併号より

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