2017.08.26
# 格闘技

世界最大の格闘技イベント「UFC」は、いかに日本市場を攻略するか

日本発のスター選手を育てるのがカギ
細田 昌志 プロフィール

開催時間を早くすることはできないの?

――ケビンさんは先ほど「ローカルタレントの育成」の重要性を指摘されていましたが、桜庭和志、井上直樹に続く日本発の選手について、どういうような計画を立てていらっしゃいますか?

ケビン よく聞いてくれました。それには2つの方法があると思っています。まず、UFCでは「選手育成プログラム」を組んでそれを選手に実行してもらっています。トレーニングはもちろん、体調管理も含むケア、食べ物に至るまで、専門家を揃えてすべてアドバイスできるような体制を整えています。UFCと契約を結んだファイターなら。全員がアクセスできるようにしているんです。

これは他のどの団体よりも優れている、選手にとって極めて魅力的な環境です。この環境にアクセスするために、UFCと契約を結びたいという選手が日本でも増えると思います。まず、そこが選手の母数を増やすことにつながります。

 

──それは確かに、選手からすれば大きな付加価値ですね。

ケビン 日本の環境は、ジムや道場も多くて、アジアの中でも相当恵まれています。その環境下にいる彼らをどうすれば満足させられるのか。我々もそこを徹底的に把握して、バックアップできる部分は惜しまずやっていこうということです。それは信用してもらいたい。そうやってスターを創り出していこうと思っています。

──スター育成というと、例えば、あまり強くない相手「噛ませ犬」と呼ばれる相手を当てて、勝たせて、勝たせて自信を持たせるという手法があります。それは日本では、プロボクシングからキックボクシング、総合格闘技に至るまで今も行われている手法です。褒められたことではないかもしれませんが、スターをつくるという意味においては有効だとする意見もあります。ケビンさんはその手法をとるお考えはありませんか?

ケビン ノーです。UFCでは絶対にその手法は採りません。なぜなら、我々のモットーは「ファンが観たいカードを作る」だからです。それを守るためには、イージーな試合を組むことはありません。それにUFCのファイターというのは「トップ中のトップしかいない」という認識でいるので、必然的に簡単な試合は組まれるはずもなく、この先もそれはありえないのです。

──なるほど。では、ローカルスターも真の実力で勝ち上がって強くなって、スターになっていくしかないということですね。

ケビン そうですね。そのための我々のバックアップと解釈してほしいし、それは惜しまないと言ってきます。

──あと、もう一点。「ライブの重要性」もおっしゃっていましたが、試合の開始時刻、なんとかなりませんか?

全米でのPPVに合わせるため、という理屈は分かりますが、日本では早朝から大会が始まります。早朝から観戦するファンは限られているし、大きな人気は望めません。「午後から夕方にかけてイベントが始まって、ディナータイムで大きな試合を提供する」というのが、やはり格闘技イベントの正しい見方だと思うのですが。日本の大会でもそれは実現できないものでしょうか?

ケビン 残念ながら、それは現時点では難しいですね。確かにあなたの言うように、朝早くから試合を行うのがいいことではないのは私にも理解できます。ただ、世界的な成功を目指している我々からすると、犠牲になる地域が出てくることになってしまう。しかし……いつの日か、それを実現することに期待はしてほしいと思っています。何事もバランスが大事です。プライムタイムに日本開催も、タイミングさえ合えば実現できるとだけ言っておきます。

──期待しています。では最後に、2年後、3年後の具体的な日本及びアジア市場での目標はありますか?

ケビン 具体的な数値目標を出しているわけではないけど、ベストなパートナーと組みながら、いかにいいファイターを出せるかに我々の成功はかかっています。まずは日本初のヒーローを育てることが必要ですが、私は9月の大会では、新たな日本人ヒーローが誕生すると思っています。まずはそこに期待したいですね。皆さんもぜひ、現地に足を運んで、歴史が変わる瞬間を体感していただければと思います。

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