100億円豪邸も千葉にある
そんな異色の会社を作り上げたのが、創業社長の前澤友作氏(41歳)。
2007年に東証マザーズに上場した際の時価総額は366億円だったが、今夏には大台の1兆円を突破。たった一代で1兆円企業を作り上げた凄腕経営者である。
実はこの前澤氏自身、会社と同じようにかなりの「変わり者」である。
「まず、地元・千葉への想いが尋常ではない」と、大手アパレル幹部が言う。
「普通、ファッション業界の会社であれば、渋谷、原宿などに本社を置きたがるのに、前澤氏は絶対に千葉から離れようとしない。『東京は競争心が強い人が多くて嫌い』と言うほどで、住まいも会社から近い千葉市内のタワーマンションです。
もともと千葉の鎌ケ谷出身で地元愛が強く、本社近辺に住むスタッフには月5万円の『幕張手当』を支給するほど。千葉マリンスタジアムの修繕費用には1億円を寄付したし、同スタジアムの命名権を約31億円で獲得して『ZOZOマリンスタジアム』に改名もした」
前澤氏が現在建てている「100億円豪邸」とも言われる新居も千葉市内にある。
「東急プラザ表参道原宿などを手掛けた有名デザイナーが設計し、結婚間近と言われながら8月に破局したモデルの紗栄子と住むとされた豪邸です。大きな石組みの玄関に、中庭にはもみじの巨木を置くなど、こだわりが凄い。
これを広尾や松濤ではなく、都心まで電車で1時間以上の京成千葉線みどり台駅に建てるところが前澤流なわけです。
実は前澤氏には、千葉を新しいライフスタイルの象徴となる街にしたいという構想がある。彼がウン十億円、ウン百億円というカネをつぎ込むアート作品を集めた美術館も千葉に建てる予定です」(前出・アパレル幹部)
ことほどさように、「カネの使い方」が大胆すぎるところもまた前澤氏の特徴である。
とにかく凝り性で限界まで突き詰めるタイプなので、ワインは自宅のワインセラーなどに3000本以上を所有するコレクター。
クルマもベンツやBMWでは飽き足らず、世界限定77台発売で1憶5000万円以上するアストンマーチンを所有。ウン億円のイタリアのスーパーカーのパガーニ・ゾンダなどを買い揃えたうえ、プライベートジェットの所有者でもある。

アート作品へのカネのつぎ込み方も尋常ではなく、昨年には米国人画家ジャン=ミシェル・バスキアの絵画を約62億円で落札したかと思えば、今年も同作家の別作品を123億円で落札し、アート関係者の度肝を抜いた。
前澤氏と親交のあるサザビーズジャパン元社長の石坂泰章氏が言う。
「アートの世界ではすでに『世界の前澤』。前澤さんは現代美術だけでなく、日本のお茶道具、モダン家具のメジャーなコレクターでもあります。
実際、ある人が東京国立博物館の茶の湯展に一人で来て、茶碗に見入る前澤さんを見かけたと言っていた。自分の感性に合う美術品を深く掘り下げるタイプで、一般にはあまり知られてないかもしれませんが、河原温という世界的な現代美術家の作品を10点以上持っていたりもします」