2017.10.17
日本より「新興国にリスクあり」黒田総裁の批判逃れがセコすぎる
本当にヤバいのは我が国の財政では?世界経済の成長は順調だけど…
米東部時間の10月13日、ワシントンDCで2日間にわたって開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が閉幕した。外電によると、中心になったテーマは、リーマンショック以降続けられてきた欧米の金融緩和の縮小の影響だ。
閉幕後の記者会見では、日銀の黒田東彦総裁が「特に新興国に対する国際金融上の影響がないかどうか、十分注視していかないといけない」と警鐘を鳴らしたという。

しかし、注視しなければならないのは、本当に新興国だろうか。われわれ日本人にとって、日本国債の利払い費の急膨張こそ、より直接的で大きなリスクのはずである。
足もとの世界経済は、好調ムードが蔓延している。国際通貨基金(IMF)は10月10日、世界経済見通しを改定し、2017年の成長率を7月の予測より0.1ポイント高い3.6%に上方修正。世界経済が昨年(3.2%)を上回る成長軌道に乗ると予測した。こうしたムードを反映して、日本の株式市場も先週末の日経平均株価が終値で約21年ぶりに2万1000円台に乗せる活況を呈している。