生き残りのカギはここにある?全国地銀106行「収益力」ランキング

熾烈なレースが始まっている
加谷 珪一 プロフィール

地方銀行の経営は地域ごとに特色があり、一括りにはできないが、すでに地方銀行の「収益力」には大きな差がついている。

現時点で比較的高い収益を上げている銀行は、今後も有利に事業を展開できる可能性が高い。そこで全国の地銀約100行について、収益力の違いを比較してみた。

分析に用いたのは業務純益という指標である。業務純益は銀行独特の経営指標で、銀行が融資などの本業で得た利益のこと指している。一般企業でいえば営業利益に近いと思えばよいだろう。

 

銀行は預金という大きな資産を融資などの形で運用するビジネスなので、総資産がどれだけの利益を生み出しているのかがひとつの評価ポイントとなる。ここでは総資産に対する業務純益の割合(総資産業務純益率)について評価を行った。

100行の経営状況を分析

2017年3月期における地方銀行106行(地銀協会、第二地銀協会加盟行に新銀行東京を加えた)の業務純益率の平均は0.29%(単純平均)だったので、0.3%という数字がひとつの目安となる。

106行のうち0.3%以上の業務純益率を確保していたのは、全体の約4割にあたる40行だった。

上位行にはいくつかの特徴が見られるが、これは今後の生き残り策にとって重要なヒントとなるはずだ。

上位行の中でもっとも目立つのは、首都圏や地方中核都市など大都市圏で展開する規模の大きい銀行である。福岡銀行、横浜銀行、千葉銀行、広島銀行などがこれに相当する。

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